展示会とは-What’s an exhibition-
展示会とは企業が、新しい製品や技術・サービスなどを紹介・PRするためのビジネスイベントです。販売促進、顧客の開拓などを目的としたマーケティング・ビジネスコミュニケーションの場とも表現され、最大の特徴は“Face to Face”という点で、テレビや新聞と異なり商品や製品を実際に“見て、触れる”ことができるメディア特性を持ちます。
出展企業にとって展示会は、市場調査や新規顧客開拓などのマーケティング活動、ブランド発信・定着を目指す広報活動、また販売・受注の商談をする営業活動など、目的によってさまざまなアプローチが可能になる有力なツールとなります。
また、2020年のコロナ禍以降では感染拡大防止の観点から移動を伴わないオンライン展示会(バーチャル展示会、メタバース展示会とも言う)が急速に普及しました。リアルの展示会と比べ商談成約率が低いなどまだまだ課題も多いですが、活用している企業も多く、今後の発展が期待されています。
展示会にはどんな種類があるの?-What types of exhibitions?-
展示会の種類は(1)商談展(BtoB)、(2)パブリックショー(BtoC)、(3)プライベートショーの3つに大きく分類できます。
(1)商談展の大きな目標は、展示会の会期中にビジネス活動を展開し、会期中もしくは会期後に成約を目指すことです。来場者はビジネスマンに限定されていることが多いのが特徴です。
商談展に出展する各企業の担当者は、購買意欲のある来場者に商品や製品を営業活動の一環としてPRします。来場者は会期中の商談成約を目的に来場するケースもありますが、多くの場合は最新の市場動向や新商品に関する情報を一つの場所で効果的に収集するなどマーケティング活動として展示会を利用するケースが多いのです。
(2)パブリックショーは、ビジネスマンに限らない一般の来場者を対象としているのが特徴です。
基本的には商談ではなく、PR・即売の要素が強いといえます。事例としては、フリーマーケットやコミックの販売イベント、ペット関連のイベントなどがパブリックショーと言えます。
近年は来場者層のニーズの多様化や展示品の製品用途も複雑化し、商談展とパブリックショーの両側面をもつBtoB/Cの展開を見せる展示会も数多くあります。大型の展示会にこの傾向が見られ、たとえば「東京モーターショー」や「東京オートサロン」、「東京ゲームショウ」などがその代表的な展示会といえるでしょう。
(3)プライベートショーとは、いわゆる単独企業のPR展であり、個展です。
プライベートショーの主催者は大手企業が多く、マーケティング活動の1つの戦略として展開しています。企業単独で展示会を主催するため、来場者は主催企業の既存顧客(クライアント)が中心となり、招待制をとるなど一般公開しないケースが多いことが特徴です。
出展することのメリットは?
-What are the advantages of exhibiting?-
展示会には各産業のトップから新規参入まで多くの企業・団体が一堂に集まります。そのため個々の企業へ訪問してマーケティングや広報活動を行うことを想定した場合よりも効率よくインパクトのある結果を得ることができると考えられています。
海外でも展示会の有用性は認められており、展示会大国であるドイツの調査会社は自国の出展企業に対し「BtoBのコミュニケーションツールとして重要な手段は何か?」というアンケートを行いました。その結果、多くの企業が展示会は外回りの営業活動を上回る、重要なマーケティング手段として認識しているという調査報告を発表しています(出典:AUMA社Trade fairs in the marketing mix)。
また出展は前述したようにマーケティングや広報活動など目的に合わせた活用が可能です。
・売上げをUPしたい
・新製品のテストマーケティングをしたい
・同業や異業種で連携を考えている
・見込み客リストをつくりたい
・海外展開を本格的する前に現地で感触を確かめたい
など、展示会は企業が抱える課題の解決や目標達成につながる場と考えられます。