日本電気(NEC)は4月20日から22日まで幕張メッセで行なわれた「第2回国際ドローン展」に初出展した。
ブースでは“ドローンによるインフラ維持管理のスマート化”と称し、研究開発中のシステムとインフラ点検用ドローンを展示。このシステムは橋梁・トンネルなどの高所にある点検対象構造物の変状箇所を特定し、データを蓄積・解析するためのもの。
現在、すべての橋梁やトンネルは5年に一度、近接目視で点検を行なう必要が国土交通省の法令により定められている。この作業について同社の楓慎一氏は「人間による目視点検には限界がある。また、足場を組んだり、ゴンドラを設置したりと、手間暇もかかってしまう」と語り、ドローンの導入により負担を軽減し、効率化を図りたいという意気込みを見せた。
現場ではドローンはロボット操作員が誘導し、点検員が収集するセンサ情報を確認し結果を記録する。データケーブルでつながっているため、ドローンを見失う危険性もなく、作業員の安全性向上や業務効率の改善に貢献する。
研究は自立制御システム研究所・産業技術総合研究所・首都高速道路技術センターと共同で行なっており、ドローンの機体は自立制御システム研究所が担当している。開発は今年度で終え、2017年と2018年には現場で実験的に運用、2019年の実用化を目指す。
楓氏は「3月の『Japan Drone』に引続き、来場者から大きな反響をいただいた。展示会は実際に行なっているさまざまな取組みを見て、知っていただける良い機会なので、今後も活用していきたい」と語る。
<展示会データ>
展示会:第2回国際ドローン展
会期:4月20日~22日
会場:幕張メッセ
→「見本市展示会通信」第729号 2016年5月1日発刊 より抜粋