MICE施設のコンサルタントやイベント運営を手がけるホットスケープの前野伸幸・代表取締役は4月26日、幕張メッセで開催した“全国展示場連絡協議会総会”で、セミナーを実施した。受講者数は施設運営者ら約70人。
セミナーのテーマは“生き残る施設のヒント 施設のポテンシャルを最大限発揮させる”で、施設運営コンサルタントとしての自らの経験を基に、イベント運営側からの視点から求められる施設の在り方と、来場者から見た施設評価の条件を説明し、来場者・主催者・施設管理者それぞれに利のある施設が“本当に良い施設”と講義した。
来場者視点の施設評価 | イベント運営者視点の施設評価 |
・疲れないこと
・会場へのアクセスが容易 ・雨に濡れない ・イベントに集中できる ・多様性対応(言葉や食事) |
・トータルコストが安価
・開催の価値やイメージ向上に繋がる ・イベントへの出席率が高い ・安心・安全な会場 ・施設データが公開されている |
今後の戦略では施設のブランディングに触れ、施設の価値を高める上で会場施設のブランド化に人の力を使っていくべきと強調。「施設の価値は竣工時が最も高い。何もしなくても経年変化で施設の価値は下がり続ける一方だが、人の力を使ったブランディングでこのカーブをなだらかにすることはできる」と前野氏は話す。
さらに、ブランディングには相当の時間を要するとした上で、3~5年の期間を定めることの多い従来の指定管理者制度は、ブランディングの視点から見るととても短いという問題点を指摘した。
最後に前野氏は、「指定管理者制度は経費削減のためだけではなく、施設のブランド価値を高める目的で導入することが理想である」と語った。