人材の育て方と守り方
ワークライフバランスの取組み
展示会出展コンサルティングやソフトウェア開発を手がけるグリフィンは、2014年に「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた企業に与えられる「くるみんマーク」を取得した。
2015年には「東京ワークライフバランス認定企業」として東京都に選定。
そこで、社員が家庭と仕事を両立し、やりがいを持って仕事ができる環境づくりに取組むグリフィンのワークライフバランスの考え方を聞いてみた。
-ワークライフバランスの取組み内容-
ワークライフバランスの取組みは5年前から始まる。
会社設立から9年が経ち従業員も100人を超え、更なる成長を目指す時期に差し掛かっていた。営業本部営業推進グループ・グループマネージャの森本秀彦氏によると当時、東日本大震災や経済不況などの影響もあり、会社が成長に伸び悩んでいた時期で、働きやすい環境づくりへの課題も多かったと話す。
このような環境を見直すため、社長の上妻英一氏の提案のもと、従業員満足度を上げる取組みが始まった。
そのうちの一つとして環境改善委員会を設置することとなり、10人ほどの社員からの有志で構成される同委員会で森本氏がリーダーとして活動を開始した。
環境改善委員会では社員へのヒアリングの機会を設け、社員とのコミュニケーションを積極的に取ることで、働く上での悩み・課題を探り、職場環境の改善に繋げた。
就業規則の改善例としては、短時間勤務制度の期間延長がある。従来の短時間勤務制度は子どもが3歳になるまでの間の利用が認められていたが、女性社員の「子どもが小学校に入学すると学童保育のお迎えが今以上に大変になり、今後も短時間勤務が利用できないと働き続けられないかもしれない」という意見から、環境改善委員会で話し合い、同制度の利用期間を小学校卒業まで延長できる規則を会社に提案し、採用された。現在では2人の社員が利用している。
また、社内コミュニケーション強化の観点からイベント企画委員会を設置し、会社行事の企画や社内コミュニケーションの活性化を推進した。
その結果、会社行事として行なう新入社員歓迎会、社員旅行や忘年会は、ほぼ全員の社員が出席するほど参加率が高い。
さらに、クラブ活動も盛んで、業務時間外にも社員同士が集まる機会が多く、活発なコミュニケーションが従業員満足度向上に貢献している。
森本氏は「会社の雰囲気が5年前より良くなった実感があります。今では社員がいきいき働いている会社だと自信を持って言えます」と話す。
こういった取組みの成果は、「ポジティブ・メンタルヘルス対策」に繋がっている。
一般的なメンタルヘルス対策は、メンタル不調者を発見し対処するという事後的な方法になりがちだが、「ポジティブ・メンタルヘルス対策」はメンタル不調者を出さない方法である。
さらに無料カウンセリング制度(社員が会社に連絡を取ることなく、専門機関で受診できる)や社内カウンセラーを養成するなど、社員を精神面からもサポートする体制を整えている。