7月22日から8月28日までの間、池袋・サンシャインシティで「ウルトラマンフェスティバル2016」(主催:TBS 制作・監修:円谷プロダクション)が開催されている。
今回で26回目の開催を迎え、たくさんの子どもたちが遊びに訪れるウルトラマンフェスティバルでは、リアルサイズ(約8m)のウルトラマンの肩上像を初めて展示するほか、毎年恒例の迫力満点のウルトラライブステージをはじめ、ウルトラマンや怪獣のジオラマ展示、ウルトラマンと写真撮影ができるスポットが用意されているなど、子どもの興味をひく工夫が随所になされている。
また、今年でウルトラマンシリーズ放送開始50年を迎えたこともあり、グッズ販売コーナーも充実しており、子どもはもちろん、親、祖父母など、親子3代で楽しめる内容となっている。
そこで、多くの人々を魅きつけてやまないこのイベントの魅力に迫った。
一番の主役はキャラクター
ウルトラマンフェスティバルのメインイベントともいえるウルトラライブステージでは、LEDディスプレイを使った映像で、白と黒のフラッシュを本物の雷のように見せる表現や、キャラクターと映像を動かすことでまるで全体が動いている感覚をリアルに表現している。
とくに、目が暗闇に慣れていなかったこともあるのだろうが雷の表現には、見ていた私も本当に驚いた。演出を担当している円谷プロダクションの金光氏は、「昔と比べると映像や音響・照明の進化のおかげで演出の幅が格段に広がり、見ている方に多くの楽しみを与えられるようになった」と話す。
さらに同氏は「ただ、すごい映像を見せたいのであれば映画でいいのですが、ショーというのはどんなに演出や技術が進化しても一番の主役はステージに立っているキャラクターなんです。映像や照明・音響はそのサポートとしてあるというのが理想です」と、常に“人”にスポットを当てた演出を心がけているという。たしかに、生で見た体験はDVDなどの収録された映像を見るだけでは表現できない。そういった意味ではショーはコンサートに似ているかもしれない。
魅力的なステージを創るために
ウルトラライブステージを製作にするにあたって最も心がけていることは“子どものために”という部分だという。
子どものためといっても、内容を幼稚にするわけではない。子どもたちは真剣にショーを見に来ているので、製作側も子どもたちの期待に応えるために常に最高のものを創ろうという気持ちで製作に挑んでいる。
例えば、光線を生の舞台でどう表現するかというところでは、絵や照明ではなく、プロジェクターで映像を映して再現したことで来場者を驚かせた。そこから、映像に背景を付ける、プロジェクターからさらに強い光量をもつLEDに変えるなど、技術の進化に合わせて常に新しい表現に挑戦している。
円谷プロダクションの足木氏は「来年どうしようとかそういったことは考えず、今自分たちができる最高のものを提供しようという気持ちで製作しています。また、子どもだけでなく、子どもを連れて来てくれた親御さんも一緒に楽しんでもらえるような作品を創ることが目標です。今後も、最先端の技術を使っていくパイオニアとして、新しくできる演出があればどこよりも早く取り入れていきたいですね」と話す。
常に進化するステージ
最高のステージを創るために積極的に新しい技術・製品を取り入れており、今回のウルトラライブステージに使用されているLEDも昨年から進化を遂げている。
昨年までは“Linx-18”というLEDを使用していたが、今年から“Linx-9”を使用したことで、より高精細な表現が可能になった。この製品は、ウルトラライブステージの映像機材の提供をしている映像センターが今年の7月に新規導入したばかりの曲面設置が可能なLEDシステムだ。展示コーナーの科学特捜隊員の道具が展示されているエリアにも使用されているが、実際にイベントで使用するのは今回が初めてだという。
同社の村山氏にこの仕事の楽しさについて聞くと「一番の楽しみは子どもがキラキラしている姿を毎年見ることができることです。この仕事に関わっている限り、ずっとこの体験をしていきたいという思いは常に強く持っていますし、今後も円谷プロダクションの方をはじめ、製作に携わる方をサポートしていきたいです」と答えた。
常に最高のもの、新しいことに挑戦し続ける創り手である彼らによって今後、ウルトラマンフェスティバルはどのような進化を遂げていくのだろうか。今年のウルトラマンフェスティバルは8月28日まで開催しているので、多くの方々に実際に足を運んで自分の目で見て体験してほしい。
<イベント詳細>
イベント名:ウルトラマンフェスティバル2016
会 期:2016年7月22日(金)~8月28日(日)
時 間:午前10時~午後5時30分(最終入場は午後5時)
会 場:池袋・サンシャインシティ
主 催:TBS
制作 ・ 監修:円谷プロダクション
W E B:http://ulfes.com/2016/