●両展示会で注目だった有機EL
石丸 今回両展示会で注目を浴びていた有機ELについてどう思いましたか。
原 LGの有機ELはグニャリと曲がっていて、こんなに薄いのに両面でできるのかと驚きました。やはり、展示会などでお客様に前からも後ろからも訴求できるという市場ニーズは高いと感じました。ただ、この薄さなので堅牢性などを気にすると、実際に現場で設置するときはかなり大変だろうなとも思いました。
石丸 このLGの有機ELは、約7mmの厚さで両面に映像が表示されているのですが、液晶と違い有機物をガラスや曲がったものに蒸着させ、そこに電気を流して発光するものなので非常に薄いサイズで作ることができるのですが、原さんがおっしゃったように堅牢性に欠けるところがあるのも確かです。僕らが使うときにはこの部分が課題になりますが、現在有機ELは非常に注目度が高いので、従来僕らができなかったハードのソリューションとしてはとても興味深いなと思いました。
西 有機ELは焼付けしやすいところがありますよね。ですので、デジタルサイネージにはあまり向いてないと言う話を聞きます。今後の検証が必要です。
松沢 有機ELをレンタルの面で考えると、管理も取り扱いも大変ですが、一番怖いのは西さんも言っていましたが焼付けですね。レンタルをする上で、もし前日とかに焼付けが見つかった場合どのように対応すればいいのかなど不安な面はあります。ただ、有機ELはいつまで見ていても飽きないくらい本当に画質が綺麗ですよね。お客様もこれは惹かれるなというのはよくわかります。
石丸 そうですね。ちなみに他に面 白かった製品はありましたか。
西 私が興味を持ったのは58:9 のウルトラストレッチサイネージ ですね。細い部分が349mmなので300mmのトラスにちょうど隠せるように使えます。サインや看板として非常に効果的だと思いました。最近は4:3や16:9など固定概念の製品が多いので、こういう製品が出るとワクワクしますし、映像展示の方法や表現の仕方が大きく変わるなと言う印象を受けました。
原 私は透明タイプの有機ELが今回のISEで最も驚きました。従来の透過液晶などはバックライトが光っていないとだめというところがありましたから、自発光かつ透明で後ろにあるものも見えるようになったというのは、とても革新的でしたし、この透明タイプの有機ELとタッチパネルを組み合わせた演出など、いろいろな演出の仕方を考えてお客様に提案できると思いました。
松沢 私はサムスンのブースにあったミラータイプの有機ELです。これは単純に本当に綺麗でした。写真を撮影したのですが、自分がその写真に写りこんでしまっているのに気付くのを忘れてしまうくらい綺麗でした。(笑)
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