将来を担う人々へのメッセージ
越野 展示会の主催は自分で何かの産業を作り出したり、既にある産業をより大きくしたり、それによって脚光を浴びることができたり、いろんな意味でダイナミックな仕事です。非常に刺激的なので、若い人こそ仕事の面白さを感じられると思います。また、豊田さんのところのようなディスプレイ業なら、展示会の制作を手伝いながら、自分で企画して主催者と一緒にひとつのものを作り上げていく醍醐味があるはずです。一主催者としては人手不足を心配してはおらず、今後はより優秀な人材が入ってくると信じています。
豊田 展示装飾はものづくりです。つくることが好きな人は、その面白さに夢中になってしまうと思います。展示会現場特有の時間のサイクルに合わせることができれば、メリハリの利いた仕事に感じるはずです。少し前まで残っていた「危険」「汚い」「きつい」というイメージが完全に払拭されたとは思っていませんが、生きがいとして非常に面白い、人生をかけるに値する職種です。今はベテランの職人が減ってきているので、自分の手でものを作れる人が男女問わず、もっと増えてくれると嬉しいです。
芳賀 展示会というのは人と人とを結びつけるお見合い所みたいなもので、商談という名の結婚を進めているようなものです。今日、日本は平和で良い国ということで世界各国から注目を集めており、訪日外国人旅行客も年間2000万人に上ります。まさにグローバリゼーションの時代と言えるでしょう。学生も幼少期の教育から英語を勉強しており、国際化が急速に進むなかで、展示会の果たす役割は非常に大きいと思います。国際的、外交的な問題はいつの時代も尽きませんが、人と人との交流がしっかりしていれば戦争は起きないはず。そういう意味で展示会は平和産業で、これからますます必要とされ、成長していく産業ではないかと思います。若い人にはぜひ展示会産業を通じて諸海外と交流をはかり、自分たちの力を試していただきたいです。
<参加者紹介>(敬称略)
<司会>
株式会社ピーオーピー 代表取締役社長
坂本 映二
「見本市展示会通信」2016年(平成28年)10月1日 第739号“創立40周年記念特集号” より一部抜粋