-皆さんの関わったお仕事について事例を紹介してください。また普段のお仕事について教えてください
東江 ここ数年、あるIT 企業のセミナーを年に2回やらせていただいています。その企業は本社が米国なので、テクニカルチームも米国から来る大きなイベントで、私は主にメインのキーノートを担当させていただきました。トラスを建て6面のスクリーンにプロジェクターを12台吊るというすべてに関わるので、相当な集中力と体力が必要になります。体力的にきつい部分はありますが、米国本国の社長が講演したときには、テクニカルのやり取りを英語で行うなどし、最後に“最高だったよ、ありがとう”と言ってもらえたとき、頑張って良かったなと心から思いました。
普段はセミナーの現場で先輩をサポートし、全体を見ることが多いですが、機材などの物流量も多くあちこちから借りたりするので、細かい部分の手伝いが多いです。オペレーターとして現場に入るのと全体を統括する立場と、現在半々くらいの割合ですが、オペレーターに入るといまだに緊張して手が震えます。なので、営業としてクライアントと話しているときや全体を統括しているときのほうが、性格としては自分に向いているのかな、と思っています。
大高 東京ドームシティで行ったエクストリームスポーツのイベントのときには、LED を3面出していろいろな展開をしたのですが、私はオペレーターとして入りました。現場自体ハードなスケジュールで動いていて、“次の展開は? その次は?”と、次々と映像の展開をしていく慌ただしい現場でした。スケートボードや自転車の競技イベントだったので、機材のある目の前まで競技者が迫ってきてPC に触れて接続が切れてしまい、まわりの人がなんとか直している間にもどんどん迫ってくる、というハプニングもあり、躍動感があり大変でしたが、とても思い出深く楽しい現場でした。
映像のオペレーションは、とても緊張するし集中力が求められるのですが、その集中できることが私にとっては魅力です。今はいろいろな現場で経験を積んでいる段階でまだまだ未熟ですが、尊敬する先輩たちを見習って頑張りたいと思っています。
土屋 比較的大規模な株主総会を、去年初めてメインでオペレートさせていただきました。株主総会は、雰囲気がほかの現場と比較して重たくとても緊張するのですが、終わった後にクライアントから「ありがとう、また来年もよろしく」と、直接言っていただいたことが、失敗せずに終了できたことに加えて、安心すると同時にとても嬉しかったです。
また、入社したての頃は、過酷ということもあり女性だから担当させてもらえなかったLED を組むコンサート系の現場にも、最近は入らせてもらえるようになってきました。今はまだオペレーションのサブに入ることが多いのですが、何かあったときに走り回るような状況です。完全、かついろいろこなせるオペレーターになることが目標なので、今、どんな本番も付いていることが楽しく、またメインで付いたときのやりがいを感じています。
但木 「したまちコメディ映画祭」というイベントがあり、映画の上映やトークショー等のオペレーションを担当しました。搬入の際は、機材を階段で手運びするなど、結構な力仕事です( 笑)。入社して初めて入った現場で、2年目の去年も入ったのですが、何も分からなかった1年目と比べて、機材の段取りから任せていただきオペレーションにもついたので、思い出深い現場です。 代々木第一体育館で開催されたLED を使ったライブでは、VJ を担当しました。曲が決まっていて決め打ちの素材があるものもあれば、何千と入っているフリー素材から曲にあわせて選んで叩くというものもあり、とてもいい経験になりました。リハーサル時に曲の頭のクリックがやっと分かるのですが、いざ本番になるとクリックが変わっていたりなど、焦ることもありましたが(笑)。
私は映像を叩くオペレーションが好きです。タイミングが悪いと観客がザワザワしたりしてしまうので、事前に入念なチェックをしますし、逆にここだ、というタイミングで叩いた結果、盛り上がって歓声がわいたりすると、非日常の感覚を味わう事ができます。今後はミスなく行うこと、そしてセンスが問われるので磨いていきたいと思います。
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