イベントの照明や映像、音響関連業務を手がける千葉共立は今年、会社設立30周年を迎えることから2月27日、幕張メッセで記念祝賀会を開催。プロの名に恥じない進行と演出で会場を沸かせた。
そこで昨年5月に代表取締役社長に就任した武井幸也氏に30年の振り返りと今後の展望を聞いた。
―30年を振り返って今の気持ちはいかがでしょう
設立当時の千葉共立は、幕張メッセの契約を取ってやっとこれからという状況でした。ですから経営戦略のようなかっこいいものはなく、がむしゃらにひたすら走ってきた結果、今の規模まで大きくなったんです。
照明に強い共立グループの一企業として独自の色を持ちつつも、幕張メッセの多くの仕事をこなしていくなかで、千葉共立らしさが生まれたのではないかと自負しています。
トータルコーディネートと言えば聞こえは良いかもしれませんが、いわゆる何でも屋。苦労や負担は大きいですが、それゆえ付き合う企業の業種は誇れるほど多いのです。
設立30周年に到達するまでに、社員の頑張りや多くの協力会社の助けがあったことは言うまでもなく、この感謝の気持ちをカタチに残したいという想いから、今回の記念祝賀会を開催しました。
―イベント業界の課題と今後の動きについて思うことはありますか
イベント業界における長時間労働の問題は気になっています。オフィスを10時に消灯しても、場所を変えてでも仕事をしなければ終わらないという話もよく聞くため、危惧しています。
一方で、働く個人の問題もある。好きでやっている人間を止めることは難しい。本当はその点も何とかすべきで、業界全体の考え方が変わっていく必要があるのではないでしょうか。
千葉共立としては、社内のコミュニケーションを高めることと、(経営者)判断のスピードを高めることに重点を置いて、これからの未来を歩んでいきたいと考えます。
次の10年に向けて考えていることとして、2020年の東京オリ・パラという世界最大のイベントに積極的に関わるべく、この1、2年の間に私ができることを着実に進めていきたいです。
変わる価値観を尊重しつつも、“お客様第一”という変わらない考え方で、これからも仕事に取り組んでいきます。
※見本市展示会通信 750号(2017年3月15日発行)より抜粋