観光庁は、日本のMICE国際競争力強化のため行ってきたグローバルMICE都市への支援事業の成果発表の場として、3月14日、15日に品川プリンスホテルで「グローバルMICEセミナー」を開催した。参加した地方自治体や全国のコンベンションビューローら65団体110名に対し情報を共有するとともに、基調講演やセミナー、ワークショップなどを通じて、各都市のMICE誘致力強化に向けた今後の活動指針を示した。
インバウンド消費額の拡大に向けて
昨年、インバウンドの旅行者が約2404万人、その消費額が約3.75兆円にまで拡大したことを受け、観光庁の田村明比古長官は冒頭の挨拶で、日本の人口減少時代が本格的に進む現状に鑑み、今後も一定の成長を維持していくためには生産性を向上することと交流人口の拡大が課題であるとし、旅行者の〝人数〞ばかりでなく消費額、つまりは〝質〞の拡大に強く意識を向ける必要があると述べた。
交流人口の拡大に観光は最も有効な手段とした上で、消費額を拡大させる具体的な考え方として、消費額の多い傾向のある国の旅行者を増やし長期滞在を促すこととした。滞在期間を延ばすにはそれぞれ観光地の力が試される。また、消費額に関して一般旅行者よりもMICE目的の旅行者の方が多くなる傾向にあることを紹介し、改めてMICE誘致の必要性を訴えた。
今後の方向性として、コンベンションビューローを中心にできるだけ幅広いステークホルダーを巻き込み、地域一帯となって誘致活動を進めることが必要不可欠であり、このセミナーで優良事例を共有しMICE誘致に活かして欲しい、と挨拶を締めくくった。