▼2.お薦めポイント
――今回の新規出展者や大規模出展者などの出展傾向やお薦め企画などを教えてください
◎注目ゾーン
近藤 私がぜひ見ていただきたいのは新設の地方創生ゾーンでして、ここはイベントを利用して地方創生にチャレンジしている出展者が集まり、すべて新規出展者です。というのも、最近はインバウンド需要の増加を受けて、観光地に誘致するための企画や自分たちの観光地をよりよく見せるためのソリューションが求められていますので、そこをターゲットにするような出展者が全国から集まってきます。
また、宝探しのイベントやショーを扱う出展者の多くは企画運営ゾーンの方に出展していますが、地方創生向けの提案をしているところも増えており、この分野の注目が高いと思われます。
岡部 今年のグッズゾーンは急拡大しています。2つの展示会でターゲットが重なる分野であることから多くの出展者の注目を集めまして、昨年に比べて2倍近くまで増加しています。
グッズ分野はマーケットも勢いがあり、例えば学会や展示会、MICE関係のイベントを行うときには、さまざまなノベルティを作る機会が従来以上に増えているのではないでしょうか。これまで扱われていなかったような、アクセサリーや宝石、タブレットのカバー、魚ロボットなど個性的なノベルティグッズが今回も一堂に集まりますので、こちらも情報収集のみならず、新たな商品との出会いを見つけてもらいたいです。
◎主催者企画
岡部 会場内の全体企画で私がお薦めしたいのは、大画面を使った迫力の映像を皆さんにぜひ見ていただきたいと思います。NHKが最先端のライブビューイングを体験できる、8K300インチ・22chを搭載した最先端の「ライブビューイングシアター」を展示会場の中に作ります。これは日本初公開です。これほどの大画面で8Kの美しい映像はなかなか見る機会がないかと思いますので必見です。
この分野は、高画質の会議画面や東京五輪を迎えるにあたってライブビューイングのモニターとしても、近い将来使用されることになるだろうと考えていますので、ぜひ会場関係者やホールを持っていらっしゃる方々に御覧いただきたいです。
◎セミナー
――毎回セミナーも充実されていますが、今年のセミナーの目玉はいかがでしょうか
岡部 トヨタやソニーといった、いわゆるマーケティングのトップ企業が登壇し、イベントを絡めながらマーケティングの手法を紹介していただく特別講演のほか、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会のCEO中村英正氏の講演や、SNS・インスタグラムを使った集客術の講座も特に人気が高いプログラムとなっています。
また、増加傾向にある地方自治体の来場者の方に向けては、地域活性化センターの椎川忍理事長にお話をいただきますし、横須賀市役所の矢部賢一氏に実際の地域活性のイベント事例をご紹介いただきます。さらにリオ・オリンピックの閉会式を手掛けたライゾマティクス代表の真鍋氏と演出振付家のMIKIKO氏による対談セッションも見所です。
セミナーは定員になり次第締め切ってしまいますので、なるべく早く申し込んでいただければと思います。
◎会場演出
――昨年同様、会場を暗くする演出を取り入れるのでしょうか
近藤 今回は会場内の暗さや音制限などに気を配り、さらに会場内の演出を徹底しようと考えています。
具体的には会場となる幕張メッセ6ホールと7ホールが繋がっていないことから、7ホールは独立して、ほぼ真っ暗な空間を造り上げて、自由な照明演出が可能となるようにします。
また、音に関しては原則、80㏈という規制がありますが、1時間ごとに6分ほどの演出タイムを設け、その時間内であれば100㏈まで音の規制を緩和します。今のところ約10カ所で1時間に一回はショーが行われる予定ですので、迫力ある演出が見られると期待しています。ショータイムでは各出展者がムービングや照明演出について実機を用いて披露しますので、非常に面白くなると思います。
▼3.将来に向かって
――2月に開催された出展者説明会では石積忠夫社長が「5年後にアジア中心のバイヤーが集まる有数の展示会にしたい」というメッセージを発していました。この展示会の未来像については、どのようなビジョンを描いていますか
近藤 機材の観点から言うと、会場を所有しているアジア各国の関係者が最新の機材を購入しに来るような展示会に成長させたいです。
またライブに限らず、ミュージカル、スポーツ、テーマパークなどの分野においても日本が中心地となり、そこから新たなエンターテイメントが発信できるような展示会にしたいと考えています。
岡部 従来のように〝テレビCMを打てば大きなプロモーションに結びつく〞時代は過去になりつつあり、今ではその考え方が大きく変わってきていると感じています。
現状、イベントを通じてリアルな体験があって、その場面をSNSも含めて拡散していくようなプロモーションが増加しており、その重要性が高まっていますし、実際にSNSを利活用している人も増えているかと思いますので、その対応や提案を積極的に推進していきたいです。
さらに今後は、まずはアジアの方々が興味をもつような出展者や最新の出展品の増加を目指し、アジア中のMICE関係者が集まってくるような展示会にする。その後、欧米などの海外来場者からも注目され、呼び込めるような展示会にしていきたいです。
――ありがとうございました