■日本各地でMICE施設の建設計画が進む中、展示会を取り巻く環境は東京一極集中の傾向が続いている。しかし、展示会が東京以外の地域でもより活発に開催されることは、地方活性化やさまざまな産業の発展につながることから、今後の日本経済発展のために必要なことではないだろうか。
そこで、東京以外の地域で展示会を開催する3者に地方展開を取り巻く状況についてお話いただき今後の展望を語っていただいた。
■出席者
――主催展示会の状況やご自身が展示会にどうかかわってこられたかお話下さい
春山 日本自動認識システム協会(JAISA)は前身がエーアイエムジャパンという、米国でバーコード規格を指定されていた日本の外部団体として発足しました。ちょうど昨年で30周年を迎えたところでして、協会としては会員やメーカに規格などの啓発を行うほか、展示会を開催して多くのお客様に自動認識の各種製品・サービスを見に来ていただくことがひとつの大きな事業となっています。私自身はエーアイエムジャパン設立の際のプロジェクトのメンバーでして、初めて日本で開催する展示会にも携わりました。私の記憶にある展示会は、リーマンショック前までは盛大だったイメージで、特に我々の主催している「自動認識総合展」は、バーコードの全盛期を迎えた1980年代は日本ではとても注目を集めていました。
「自動認識総合展」は現在、東京と大阪でそれぞれ年1回開催しています。初めの頃は小さな会場で開催していましたが、会員が200社を超えたあたりには東京ビッグサイトで開催するようになりました。業界そのものに勢いのあった当時は韓国、台湾、後半には中国の方々などアジアを中心とした海外からの来場者も多く、インターナショナルな雰囲気がありました。そして会員以外からの出展もありましたが、残念ながら最近は協会の会員数が減少するとともに、展示会への出展社数も徐々に減ってきています。
会員数や出展社数が多いときは東京だけでなく、名古屋、大阪、プライベートに近い形で東北でも開催してきましたが、近年は東京以外の開催ではより厳しい状況で、特に一つの協会だけの単独開催は難しいと感じています。
田島 ビジネスガイド社は40年以上、東京でギフト・ショーを開催しており、地方では大阪でギフト・ショーを30年近く開催しています。福岡は従来の形式とは異なり、前身が福岡市(福岡商工会議所)主催の「福岡国際見本市」で、これを引き継いだ形で開催しています。
東京と大阪では年2回の開催ですが、福岡では年1回開催となっています。「福岡ギフト・ショー」は今年でちょうど13回目の会期を迎え6月1日から3日まで開催しました。ファッションや美容をコンテンツとして市場に打ち出していきたいという市の要望もあり、ビューティー・ショーも同時開催しており、最終日は一般の入場も可能な一般日を設けています。基本的にはBtoBの展示会ですが、土曜日の一般日は商品の販売も行っており、出展企業の方々に好評いただいています。
福岡市から後援いただいているということもあり、特に前身の国際見本市が海外企業のインポート商材の誘致に力を入れていたので、現在のギフト・ショーもその流れを受けて在日代理店の出展への助成金など行政のバックアップを受けており、それが出展企業への割引という形につながるので、非常にありがたく思っています。