<主催者座談会>展示会の地方展開を考える

―地域格差は逆にその地域ならではの、観光資源などの特色があるというメリットもありますね

イブ 「BARI―SHIP」は展示会場だけではスペースが足りなくて、実は駐車場や学校の教室、プレハブなども会場として使っています。それでも来場者が来てくれるので出展社は満足してくれています。

 

春山 バリシップは特殊性がありますよね。自動認識総合展も、立ち上がった当時はバーコードという特殊性があったため多くの集客が可能でしたが、今はIoTやMtoM、インダストリー4・0など類似した展示会が年間を通じて東京ビッグサイトで開催されているので、ひとつの展示会のメリットが打ち出しにくくなっていると思います。

ただ停滞気味であった大阪開催はここ3年ほど徐々によくなってきていて、それは協会のメインの会社は絶対出展してもらうなど半ば強制的にお願いしてきたことと、我々のターゲットとなるクライアントが国内で設備投資をするなど景気感が若干よくなってきているからだと思います。

そのせいか、九州から大阪の展示会へ行くとなると、東京と比べて承認されやすいという傾向もあるようです。今年は1小間でも多く出展してもらい、そうすることで来場者も増えるので、結果をだして好循環に向けていきたいです。

 

―現状を踏まえて、新しい展開があればお話しください

春山 我々の展示会と全く違う業種・形態の展示会とコラボできたら面白いと思います。
こちらが主体を持ちセレクトし、関連する部分も出せるようにすれば地方でもできるのではないでしょうか。会員もこの地域にクライアントが多いからこの地域の展示会に出るなど、セレクトすることができます。

すでに近しい業種の展示会と同時開催し、相互入場を可能にするなどの展開をしていますが、もう一歩踏み込み、地域性に強く我々の関連する企業もそこにあるならばどの地域でもコラボしての展示会開催は可能ではないかと考えています。

 

田島 「ギフト・ショー」自体がアパレルやインテリアなど、さまざまな業界の方が集っているので、業界を越えた商談会といえるかと思いますが、さらに拡大という意味で全く異なる業界の方と一緒に展開するのもひとつの道だと思っています。
ほかにも、大分や熊本には温泉旅館が多いので、観光分野の方々とも連携して福岡県外の方に来場いただくことで出展社の誘致に結びつけられればと思います。

 

イブ 今年3月に「Routes ASIA」を沖縄で開催して大盛況でした。ぜひまた沖縄で展示会を開催したいと考えており、実現に向けていろいろと考えています。地方開催は今治だけにこだわらず、ニーズがあり、地元産業や大手のバイヤーがいる街であれば必ず展示会を開催することができる。そういった意味で今は沖縄に注目しています。

 

―ありがとうございました

【写真6】