CEATEC JAPN実施協議会は10月3日から6日までの4日間、幕張メッセで「CEATEC JAPAN 2017」を開催する。開催に先立ち、10月2日にメディアコンベンションを行った。
プレスブリーフィングでは実施協議会の鹿野清エグゼクティブプロデューサーが今回の狙いや見どころについて解説。
昨年従来のエレクトロニクス総合展からCPS/IoT展へと舵を大きく切った同展について、前回のコンセプトを踏襲しつついかに本格化させるかが重要としたうえで「CPS/IoTはわかりづらい世界だが、本展には最新デバイスから社会における問題のソリューションまで、実現性の高い提案が多くそろっている」と熱弁。国が掲げるSociety5.0の動きを実際に見て聞いて、手に取って感じてほしいと訴えた。また、「今回の規模は出展者数667社・団体、小間数1758小間、海外出展者数199社・団体と前回に比べ微増だが、スタートアップ企業が国内外ともに多く、従来は出展のなかった産業も見受けられる」と、規模以上に中身が大きく変わっていると主張し、昨年14万5,000人であった来場者数を今年は16万人にすると目標を高く掲げた。
プレスブリーフィングの後はメディアコンベンションが行われた。以下に「CEATEC JAPAN 2017」の見どころの一部を紹介する。
NTTドコモ
次世代通信技術である5Gを見据えたコミュニケーション手段として、8K60fps高品質パノラマVRを体験することができる。YAMAHAの64chからなる立体音響技術、SHARP製1008ppi液晶パネルを採用したヘッドマウントディスプレイを用いたパノラマ映像は必見だ。
オムロン
満を持して展示するのは進化した卓球ロボット、4代目「フォルフェウス」であり、同社が提唱する「人と機械の融和」の実現を感じさせる。メディアコンベンションでは2016年リオデジャネイロ五輪卓球メダリスト水谷隼選手が登場し、華麗なラリーを見せた。水谷選手はフォルフェウスについて意見を求められると「人は機械の力を借りて生きているから、これからの進化に期待する」と語った。
沖電気工業(OKI)
一般車両搭載型の移動ATMを6月23日のリリース後、初公開。次世代交通として自動運転を視野に入れており、その前提となる技術を展示する。同社が得意とする自動車の位置管理や渋滞予測をさらに発展させ、これから訪れる自動運転の本格化に備える見通しだ。
KDDI
au 5Gの先進性・独自性を訴求するためアバターロボット「TELESAR V」を展示。視覚・聴覚・触覚が融合した遠隔体験をすることができ、自分が動くことでロボットにジュースを注がせるといった繊細さを求められる行為も容易く実現することができていた。
タカラトミー
同社が自信を持って提案するのは、心を持つAIロボット「COZMO(コズモ)」だ。9月に台東館で開催された「クリスマスおもちゃ見本市」でも好評を博した同製品は、周囲の環境に合わせて喜怒哀楽とさまざまな表情を見せるのが特徴。くしゃみや動物の鳴き真似などを合わせるとそのパターンは1,000以上で、ユーザーの名前や好みを覚えてくれるため、遊べば遊ぶほど懐いてくれて、愛着も増すということだ。
三井住友フィナンシャルグループ
AIやIoTを活用したさまざまなソリューションを提案。身近なところでは、「AIチャットボット」はスマホさえあればすぐにでも活用することができる。使用方法は、口座開設の方法やマイナンバーの提出方法をLINEで送るだけ。AIチャットボットが返事を送ってくれるので、分からないことは何でも聞いてみるといい。
今回紹介したのはほんの一部のブースだ。全15ブースからなる注目の「IoT TOWN」や「-AI-人工知能パビリオン」、27社・団体が参加することで昨年より規模を大幅に増した「India Showcase」、企業の若手が連携することで新たな展開を図る「One JAPAN」に加え、CPS/IoT活用のヒントを得られる数々のコンファレンスなど、見どころを挙げればきりがない。
「CEATEC JAPAN 2017」は10月3日から6日まで4日間の開催となっている。社会を大きく変えるSociety 5.0がすでに動き出していることを、実際にその目で確かめてほしい。