ビジネスガイド社は去る8月30日から9月8日の2週間にわたる「東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2017」で人工知能(AI)接客システムを導入し、新たな試みとして話題となった。
そこで、システム開発に携わった三角光・ビジネスガイド社ゲストリレーション部課長に、システム導入の経緯や実際に運用した際の反響などを聞いた。
今回、WEBページ内にAIを活用した接客システム『KIZUNA』による来場者向け案内を導入。
入場方法や交通案内、会場に関わる情報などをスタッフに代わって画面に登場するキャラクター〝さくらさん〞が返答する、というシステムだ。
さくらさんの表情が変化するのも特徴的で、2次元の変化のない表情ではなく、笑顔や困った顔といった表情に動きがあるように見えるアニメーション連動の技術も使われている。
三角氏は「当初は会期中の18時以降や展示会開催の切れ目の期間に無人対応できる仕組みとして、何か便利なツールはないかということから検討を始めました」と導入経緯を説明する。
会期中の質問数は1000を優に超え、ユーザーの関心は高かったことが示された。
さらに回答率が87%ということから、質問の多くは共通している内容ということも明らかになり、三角氏は次のステップに進む意向を示す。
■接客システム「KIZUNA」とは
ギフト・ショーのWEBで採用したAI接客システム『KIZUNA』は、WEB制作会社ティファナのシステムを利用したものである。
『KIZUNA』の用途は多々あるが、ギフト・ショーではWEB上でさまざまな質問に回答するWEB接客に特化し、サポート業務の軽減を目指した。さらに受付対応の無人化によるストレスを軽減するため、AIを利用した聞き返し処理によって、質問にできるだけ寄り添った対応ができるというサービスを展開した。
要するに、「おはよう」、「おなかすいた」などの質問があれば、それに答えるというもの。
■質問と回答の事例
Q 名前は?
A さくらです。よろしくお願いします。
Q お腹すいたな?
A わたしもお腹ぺこぺこです…会場内にはレストランがあります。ご案内しましょうか。→会場WEBにリンクして誘導。
Q 疲れた
A お仕事やお勉強お疲れさまです! など。
質問と答えの内容にミスマッチが生じないように、会期中はブラッシュアップを重ねたという。
※「見本市展示会通信」764号より抜粋(2017年10月15日発行)