レンタル業はその場の勝負~高付加価値の提供を目指す~
(株)光和 代表取締役社長 塚本 貴信さん
――今年に入って専務取締役から社長に就任、前社長の石渡氏が会長となりました。新体制の特色は。
塚本 まずはトップの若返りを図るというのが、石渡の考えだったようです。前会長の小泉と石渡と私は、ちょうど一回りずつ離れた卯年生まれでして…
――ホップ・ステップ・ジャンプですね(笑)
塚本 そんな意味もあるんでしょうか(笑)
――偶然とはいえ縁起が良さそうです。脱線してすみません。今後のお二人の役割は。
塚本 大まかですが、石渡はこれまでよりは現場から離れ、財務面の業務にシフトし、私は営業面、つまり売上・利益アップに向けた最高責任者という立場になります。
石渡もJVRA(日本映像機材レンタル協会)の会長を務めているなど、対外的な活動もありますので、そういう面では、業界やクライアントのみなさまには、これまで通りお付き合いいただきたいと存じます。
――最近の映像機器の進化には目を見張ります。
塚本 IT、デジタル、ハイビジョンと、ハードの性能は際限なく高くなります。映像への要求も、普通の画質では満足しないクライアントが増えてきました。
――そのような流れのなかで、光和としての特色をどのように出していきますか。
塚本 最大のテーマは、価格競争だけの営業はせず、高い付加価値を提供すること。そのために必要なのは、スタッフのスキルアップとコミュニケーション能力だと考えています。営業担当はクライアントの求めていることをいかに正確につかみ、それ以上の提案ができるか。現場はスピードも含めて、技術力やオペレーション能力をどれだけ高いレベルで提供できるかということです。
レンタル業はその場の勝負ですから、機材の故障はもってのほかで、それ以上に人的トラブルは絶対に許されません。また「できません」と言ってしまったら、もう先に進めません。施工時間や予算は確かにタイトですが、だからこそ、周りの人とのコミュニケーションがしっかりできる集団でありたいと思います
――そういった厳しい現場だからこそ、感じられる喜びも。
塚本 できて当たり前の世界ですから、お褒めの言葉をいただくことは決して多くないのですが、「よくやってくれたね」というひと言が本当にうれしく感じられる仕事だと思っています。
――ご趣味は。
塚本 音楽を聴くことが好きなんです。いろいろ聞きますが、50~60年代のいわゆるオールディーズ。あのころの歌はメロディーラインがとてもきれいでいいですね。
――機器にもこだわりがあるのでしょうか。
塚本 そうでもないんですよ。まだ、プラズマも液晶ももってませんから(笑)。
むしろライブを楽しみます。CDに入っているのは、完全無欠の音楽であって、生の演奏は何が起こるかわからない。その場の雰囲気で聴き方も変わってきますし…そういうのはライブでないと味わえませんからね。
--展示会の仕事にも通じるお話しですね。ありがとうございました。
(見本市展示会通信5月15日号)