日本映像機材レンタル協会 & ピーオーピー合同企画 座談会 第7回
プロジェクションマッピングの演出の幅は大きく広がりを見せ、AR・VRは黎明期を迎えている。そして今年の後半には4K・8Kの放送開始を控えるなど、発展のめざましい映像の世界。その業界を突き動かす人々は何を思い、どんな働き方をしているのだろうか。コンサートやステージの成功を背負っているのは、オペレーターや機材の設営などといった現場の人々だけではない。そこで今回は「現場を支えるサポーター」にスポットを当て、メンテナンスやスタッフ配置などの業務を担う、映像業界の潤滑油的存在である方々に“今”と“本音”を聞いてみた。
(掲載=『EventBiz』 Vol.10より)
◆出演者(L→R)
●佐藤 昌宏さん – ヒビノメディアテクニカル
●徐 清淑さん – レイ
●宮下 寛子さん – シーマ
●永井 真人さん – ヒビノ
●内山 真一さん – シネ・フォーカス
◆業務について
――この仕事を選んだきっかけを教えてください
永井 昔からビデオなどの映像機器を触るのが好きで、また大きいステージに関わる仕事をしたかったため、現在の仕事を選びました。主にLEDに関わるメンテナンスから一般業務まで担当しています。
徐 機材のシフト業務、あるいは機材に不足が出た場合、他社からの借用、また貸し出しの窓口を担当しています。今の仕事を始めたのは、以前から映像に興味があったことと、知人に紹介してもらったことがきっかけとなっています。
内山 私は以前から映像に強い興味があったわけではありませんでした。私が就職活動をしていた当時は就職氷河期という厳しい時期を迎え、何社も入社試験や面接に回りましたが、なかなか内定を貰うことができずにいました。そのとき、「自分は一体何をしたいのだろう」と改めて考え直したんです。もともと理系だったこともあって、機械いじりが合うのではないかと考え、また、体を動かす仕事をしたいとも考えていたところ、今の会社の募集を見て、応募しました。偶然ですが、高校時代に学園祭でビデオドラマの制作をやっていた経緯もあり、こういった経験とご縁から今の会社に導かれたのかなとも思います。入社前よりも入社後、現場を経験するようになってからの方がより映像に興味がわき、積極的に学んでいた記憶があります。現在は現場を離れ、人の動きや車の輸送、スケジューリングなどを管理する部署に所属しています。
佐藤 私がこの会社へ入社したときも、20年前でちょうど就職氷河期でした。専門学校の就職課にいき色々な仕事を探す中で、映像関係が面白そうだなと漠然とですが感じていました。また、デスクに座って行う映像制作よりも、現場で実際に体を動かす業務の方に興味がありました。しかし、就職氷河期の只中ですから、簡単には雇ってもらえません。しばらく就職先が決まらずにいましたが、今の会社を受けたとき担当者に「いつからできるの」と言われ、飛び込むようにこの業界に入りました。今では会社で仕事があれば、できることは全て引き受けるような形ですが、機材の準備・修理が主な業務となっています。
宮下 レンタルの依頼が入った機材の準備やメンテナンスが基本的な仕事ですが、機材シフターがいないときは機材シフトするなど、幅広く仕事をしています。もともとは音響関係という、今の分野に近い仕事に就いていましたが離れることを決め、OLとして働いていました。そんな折「もう一度ケーブルを巻くような仕事に戻りたい」という気持ちが沸き、専門学校時代の同級生のサポートもあって、この業界に戻って来ることができました。近い分野で仕事をしていたとはいえ、映像のことは全く分かりませんでしたので、入社してから必要な知識を学んでいきました。
◆JVRA座談会アーカイブス
▶第1回 ビジュアル空間をつくるプロフェッショナルのシゴト
▶第2回 ~プロが語る仕事の舞台ウラ
▶第3回 観客を魅了するステージ演出の舞台ウラ
▶第4回 日本全国で活躍するJVR協会の仲間たち
▶第5回 イベント・ステージ業界で活躍する女性たちの仕事
▶【2016年】海外展示会(ISE・InfoComm)視察ツアー報告会2016
▶第6回 映像演出の世界で輝く女性たち~女性が活躍できる場を目指して
▶【2017年】海外展示会(ISE・InfoComm)視察ツアー報告会2017