展示会場を受発注の場へ
営業ツールとして訴求したい
メサゴ・メッセフランクフルト(株) 代表取締役社長 梶原 靖志 さん
今年1月新社長に就任
──今年1月から代表取締役社長に就任され、半年が経過しました。組織体制など大きく変更したところはありますか
梶原 前任の広瀬から継承する形で今年から代表となりましたが、経営には2008年の取締役就任時より参画してきました。
組織体制は、展示会の出展営業とオペレーションという2つの業務ごとにチーム編成を変更した2010年以降、新体制づくりを進めています。チーム編成の変更にともなって担当する展示会の異動などは、その際に行ないました。
──メサゴ・メッセフランクフルトは、世界150か国以上に支社や営業拠点をもつドイツの見本市主催会社メッセフランクフルトの日本法人ですが、本国からの意向に影響を受けることはあるのでしょうか
梶原 日本の場合は、日本市場に合った独自の展開で展示会を主催・運営しています。もちろん、「ビューティーワールド ジャパン」や「インテリア ライフスタイル」などは、メッセフランクフルトが世界で展開する展示会ブランドの日本版として開催しています。ただ、出品品目にはエリアごとの特徴が反映され、開催地域のニーズや文化、商習慣に合わせて内容に変化はあります。
ノウハウと実績活かし新規展示会を開発
──ニーズさえ合えば日本で独自に展示会を立ち上げることもできるということでしょうか
梶原 今年8月25日から28日まで幕張メッセで開催する「インターペット」は、本国にはない日本独自の展示会で、新規開発プロジェクトチームで出たいくつかのアイデアのうちの一つです。これまで日本ではBtoCのペットショーはありましたが、BtoBはなかったこと、海外の出展を受け入れている国際展示会も少なかったことから、国際産業展示会を数多く開催してきた実績とノウハウ、国際的なネットワーク力をもつ弊社の特性を活かすことができると判断し、取り組んだものです。人とペットの豊かな暮らしフェアという新しいコンセプトでペットフード協会様と共催で今年初開催を迎えます。
──今後も新規プロジェクトの予定はありますか
梶原 産業分野によっては近年大きくその構造が変化している産業もあります。展示会も時代やニーズの変化に合わせて柔軟に変化していく必要があります。私たちはこれからも常にアンテナを高く張り、新しい提案をしていきたいと思っています。
展示会ビジネスはいま、厳しい状況にありますが、新たな分野を見いだして新規展示会を立ち上げる、または既存の展示会に組み込むなど、新たな事業展開は一企業として成長するうえで重要だと捉えています。
──今後の抱負をお聞かせください
梶原 震災の影響もあり出展企業にとっても厳しい状況ではありますが、展示会は有効なビジネスツールです。日本では広告費として扱われている現状があるように、営業ツールとしてはまだ有効に活用されている状況ではありません。
海外出展者の一部からも「日本の来場者はなかなか会場で発注してくれない」と言われることもありますし、来場者から「発注しようとしたら出展者が受注する準備をしていなかった」ということも聞いたことがあります。
ですから、私たちはさまざまな機会に展示会場で受発注するよう、出展者・来場者に訴えていき、展示会をビジネスの場としてもっと有効に活用していただけるよう努力して参ります。
「見本市展示会通信」2011年7月15日号掲載