【特別座談会】伝えるシステムブースデザイン


消費からコト消費へとうたわれる昨今、展示会の重要性はますます注目を集め、需要を伸ばし続けている。展示会に欠かせないシステムブースもさらに機能性を求められる時代となった。今回、システムブースの魅力的な見せ方やシステム・トラス部材の活用法、最近の傾向を部材メーカ、ブースデザイン、ディスプレイ施工など各視点から語っていただいた。 (聞き手=木下慧輔)


■出演者

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■近年のシステム部材の傾向

―システム部材の特徴やメリットについてお聞かせください

高田 日本の展示会ではオクタノルム部材が一般化されていることが大きな特徴です。基礎でオクタノルムのシステムを持っている会社が数十社あるのですが、共通部材なので基礎壁面に各社の部材を組み込めるのは利点だと感じています。

予算が潤沢な場合は木工が人気ですが、エコの観点などからもシステム部材はまだまだ成長していくのではないでしょうか。

瀬戸 高田さんの仰る通り、システム部材は使い回しが可能です。ごみの排出が少なく、使い回すことで利益を上げることができる。加えて、組み立てや撤去の容易さも挙げられます。工具を持っていればすぐに、壁やさまざまなブースを組み立て撤去もできる。

特に日本の展示会は施工・撤去期間が短いので、システム部材は時間短縮という意味で合っていると思います。強度も特徴と言っていいかもしれません。アーチ状のデザイン、あるいは梁を飛ばす場合木工だと難しく、スチールで組むと特注で高くなってしまう。保管も大変です。その点アルミシステムなどは強度が優れていますので。

あとは海外展開に便利という点でしょうか。日本でデザインしたブースを海外に持っていくことも、その逆も可能です。特に大企業などは必ずと言っていいほど海外に出展しますが、毎回デザインを引いていては手間も労力もかかりすぎます。

臼田 システムと木工という話が出てきましたが、中村展設でもここ10年くらいで基礎の壁を木工からオクタノルムに変えるという出来事がありました。
うちが昔から基礎をやっている「全日本模型ホビーショー」という展示会があるのですが、ホビーメーカの集積地である静岡で開催される「静岡ホビーショー」とレギュレーションを統一していました。
互いにずっと木工でやっていて、東京だけオクタノルムに変えてしまうとシステムと木工ではピッチが若干異なるため、什器が入らなくなるなどの恐れがあったのです。しかし、木工で基礎を作っているイベントは今日では数えられるくらいしかない。

「どこかで時代の流れに乗らないと、いつまで経ってもずるずる行ってしまいかねない」と思い、多少強引に変えることにしました。
結果として施工時間が大幅に短縮され、徹夜をする必要もなくなり、職人さんの数も減らすことができました。システムを有効に使えばここまで大きなコストダウンができるのだと実感した実例です。

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