【特別座談会】伝えるシステムブースデザイン

―時代の流れとともに、使われる部材も変化しているのですね。最近の傾向についてはいかがでしょうか

高田 西尾レントオールしか取り扱っていない商材はありますが、流行り廃りは感じますね。新しい商材のPRを行うと3年くらいは勢いよく出ていくのですが、それ以降は徐々に落ちてきます。他社との差別化を図るため、様々な部材でチャレンジしておりますが、ヒットするときもあれば中々思うようにいかなかった部材もありました。安定した売上としてはやはりシステムとトラスになっております。

臼田 一時、エコが大きく叫ばれている時代もありました。廃材を少なくするためシステムでブースを組んでほしいと指定を受けたこともあります。そのときはマキシマライトやオクタノルムを中心に設計をしました。

しかし、システムは規格に引っ張られてデザインが縛られてしまいがちですね。斬新なシステムの使い方を見に展示会へ視察に行くのですが、良いなと思ったデザインが別の展示会で大々的に取り入れられていたりして、考えることはみんな一緒なのだと感じます。

最近ではデザインの幅を広げるために木工とシステム両方を使った自由度の高いデザインが増えてきました。西尾さんが導入したT―WAVEを使うようになってからはさらにデザインの幅が広がり、目新しさからコンペで通ったりもしたのですが、そうするとほかの会社も追従してきていたちごっこ状態というのが正直なところです。

高田 T―WAVEは2005年から2008年までニシオレントオールコリアという会社を立ち上げるために韓国に行った際、目についたものを導入しました。箱型になっていてボリューム感が出せ、中にLEDを入れてアクリルをつければピカピカ光らせる面積を確保できたりと、木工に代わるシステム部材になると感じました。組むのもインパクトでボルトを留め、リフトで上げていけば良かったので導入から6年くらいはかなりの量を使っていただきました。

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瀬戸 私は以前海外の展示会を専門に扱う施工会社にいたことがあるのですが、国によっても流行は違いますね。面白かったのはブラジルで、みんな部材に付けるガラスサポートを使っていました。ブラジルには何度も行ったのですが、必ず同じで、恐らくブラジルの大手が仕入れた部材にみんなして飛びついた結果なのでしょう。

ただヨーロッパだけは少し傾向が違うかもしれません。ドイツを中心に色々な国が独自の傾向を持ち寄り、アイデアが混じり合っているせいかデザインが偏りにくい。ヨーロッパの展示会がほとんど国際展であることも関係しているのでしょう。

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見本市展示会通信」778号より抜粋(2018年5月15日発行)

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