コンサートなどのアミューズメントから医療画像処理機器まで、幅広い分野にわたり映像のイノベーションに挑戦するバルコ。今回はバルコジャパン・代表取締役社長に就任した加藤浩典氏にバルコの強みや今後のビジョンについて聞いた。
―社長に就任されて、今の心境をお話しください
就任後、改めてバルコという企業について考えてみると、非常に革新力のある企業だと感じています。デバイスそのものを作っているメーカーではないものの、一番新しいデバイスや技術をリサーチし、いかに顧客や市場に新しいものを提案してくかを日頃から意識している組織です。
特にベルギーの本社はその傾向が強く、バルコジャパンもそのカラーを引継いで事業を進めていきます。
■発想力と表現を強みに
―バルコの強みはどんなところでしょうか
イベント分野では、専門家に向けたBtoBの領域で、会場で映像を演出するためのプロジェクターや画像処理に関する業務を長年行ってきた経験があります。その蓄積に加えて、新しいものを惜しみなく取り入れる製品の発想力が一番の強みだと考えています。
映像関連機器は以前に比べて、どこのメーカーのものを購入しても基本的な品質に大きな差はない状況になっています。これからはデバイスの新しさで製品価値を高めることに留まらず、映像をいかにして表現、処理するかの技術を当社の強みとしていきたいです。
―定期的に内覧会なども開催されていますね
今まではカテゴリーごとに分けて内覧会を定期的に開催していましたが、今年の年末には総合展の実施も予定しています。幅広い分野を取り扱うクライアントのニーズにも応えるため、LEDや液晶、プロジェクター、プレゼンテーター、手術モニターなど、全てのジャンルのバルコ製品を展示します。
■企業価値向上を目指して
―今後のビジョンについてお話しください
ブラウン管の時代から現代の有機ELまで、デバイスは絶えず進化し、映像の世界は非常に変化の激しい分野です。このような動きのあるビジネスに携われることに対して、喜びを感じています。日本のイベントの市場はここ10年、右肩上がりで拡大しており、コンサートにおける映像演出の需要増なども含め、まだ成長していくと推測できます。こうした現状の中では、もう一度バルコの存在感や企業価値を見直し、高めていくことが重要と言えます。
イベント業界へ向け、コンテンツのクオリティを高めるような製品を提供することが私たちのミッションです。バルコの長所を理解してもらうためにも集中して取り組んでいきます。
さらにビジネスの柱となっているヘルスケアやエンタープライズの分野もイベント同様に大きな柱として成長させることと、メンテナンスやアフターサービスの発展を目指します。
「見本市展示会通信」786号より(2018年9月15日発行)