大規模展示会の開催を現実化するために必要な条件は、会場面積の広さだけではない。周辺の宿泊施設の充実や交通アクセスの良さ、地域の魅力なども重要なポイントである。来年9月のAichi Sky Expoのオープンに合わせ、現在急ピッチで周辺エリアの整備が進む愛知県は、さらなる浮揚を図る。
ホテル新設・増設進む
現在、Aichi Sky Expoのある中部国際空港(セントレア)周辺では、商業施設の開業や、展示会来場者の宿泊需要に備えたホテルの増設が進んでいる。10月1日にはセンレアホテルに新棟が誕生し、さらに来年1月までには東横イン中部国際空港Ⅱ、フォーポイントバイシェラトン名古屋中部国際空港、ルートイン常滑駅前(アネックス)が開業を控えており、同展示場の開業時には合計4000を超える客室が利用可能予定だ。セントレアホテルは、空港ターミナルビルおよび名鉄中部国際空港駅と直結する既存のセントラルサイド221室に加え、新たにパシフィックサイドの160室が増床された。ゲストラウンジは書籍やPC・プリンターを設置したほか、クールジャパンをイメージした畳コーナーがあり、国内のビジネス客だけでなくインバウンドも意識したつくりとなった。
宿泊統括支配人の山本裕二氏は「空港にあるホテルはフライトの前後泊のお客さまが主体だが、今後は展示会やイベントが開催されることで、新たな層の宿泊需要が見込める」と期待を述べる。
アフターMICEの利用を視野に
Aichi Sky Expoへの主なアクセス手段は、飛行機や鉄道・車である。空港や道路を運営する各企業は現在、周辺の観光スポットの開発にも注力し、利用者増を図っている。さらに展示場オープンで相乗効果を狙う構えだ。セントレアは10月12日に、敷地内の複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS(フライト・オブ・ドリームズ)」の営業を開始した。
ボーイング787初号機の実機展示と、チームラボ監修の体験型デジタルコンテンツが楽しめる。Aichi Sky Expoと連絡通路でつながる予定で、アフターMICEとしての利用も視野に入れている。営業推進本部営業企画部長・鈴木健一氏は「これまで空港は目的地までの通過点だったが、今後は空港そのものが目的地になろうとしている。周辺施設と連携し、魅力あるセントレアにしていきたい」と話す。
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