イベントの力で企業価値を高める meiji Tokyo 2020 Fes

特集 イベントの力で企業価値をたかめる(EventBiz vol.12)より抜粋

食品企業の明治は年間約5回、全国で展開する子どもを対象としたイベント「meiji Tokyo 2020 Fes」を主催している。イベントの参加人数は1度に100名を超え、アスリートと一緒に取り組むスポーツ体験や、運動能力測定、食育セミナーを中心としたプログラムで構成されている。「これまで協賛などはあっても、ここまで大きいイベントを主催する文化はなかった」と話すイベント担当者の戸田昌宏氏(コミュニケーション本部オリンピック・パラリンピック推進部マーケティングG)に「meiji Tokyo 2020 Fes」の成り立ちについて語ってもらった。

 

東京2020ゴールドパートナーとしての取り組みを考える
2015年、オリンピック・パラリンピックムーブメントと日本のスポーツ振興に、より一層貢献したいと考え、明治は「東京2020ゴールドパートナー」契約を結んだ。イベント担当者の戸田氏は「お客様の健康な食生活に貢献していくのが当社の経営方針です。そこからゴールドパートナーになったことで、オリンピック・パラリンピックとどのように結びつけていけるか、どういう取り組みをするかを模索する必要がありました」と話す。ここから「meiji Tokyo 2020 Fes」の構想が生まれた。

 

強みを見つけて軸に
「まずは、自分たちのリソースを見つめなおしました」。ゴールドパートナーとしての企画を立てるなかで企業のブランディングについて考える必要があった。そこでは「“明治”という企業ブランドより“ブルガリア”や“R-1”といった商品ブランドのほうが目立っているのでは」という意見や「(健康に貢献する食品もあるのに)お菓子のイメージが強い」という声も上がった。

「じゃあ商品ブランドを除いたら明治という会社の資源って何?と次に考えたときに、浮かんだのが食育活動でした。年間14万人ほどの子どもに向け、学校などに出向いて食育活動をしています」(戸田氏)。食育を取り組みの軸の一つにすることで、お菓子や商品ブランド名が先行するイメージよりも、企業全体の活動や方針を知ってもらうことができる。

“オリンピック・パラリンピックへの貢献”に加え“食育”という軸が出来たことから“健康的な体作り”というキーワードを導き出していた。例えば三大栄養素の一つで筋肉を作るに当たり欠かせないタンパク質だが、戸田氏によると現在、その摂取量は戦後の水準ほどまで下がっているそうだ。「筋肉量を増やすのではなく、カロリーを抑えて痩せようとする傾向があるからです。でも健康的な体を作るためにはタンパク質を含めたさまざまな栄養を取り入れる必要があり、栄養摂取量の低下は食品企業としては見逃せない課題でした」と話す。

以降
イベントとして動き出す
参加者の反応
売上げへの直結より、子どもたちの将来につながれば
今後の展望と続きます。

 

この記事の続きは「EventBiz(イベントビズ) Vol.12 イベントの力で企業価値を高める」特集に収録しています。

特集内にはほかにも
・イベントで環境と日本文化を考える/パナソニック
・銀座 ソニービル跡地に遊び心あふれる公園が誕生/ソニー
・街全体の魅力度向上を目指して/三菱地所
・みなとみらいで星空観察/パシフィコ横浜
・“心の健康”まで支えたい/雪印メグミルク
・イベントで新しい軸のアルバイト探しを/パーソルキャリア

など、さまざまな企業のイベントを使った取り組みを紹介しています。
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