思考実験とプロトタイピングを通して「ありえる都市」の形を探求するリサーチプロジェクト「METACITY」が1月18日、幕張メッセで始まった。
METACITYでは都市に関わる専門家だけでなく、問題を発見し問題提起するアーティストや研究者、その問題の解決策を探求するデザイナー、 解決策を具現化する技術者、住人の観点から発言する地域コミュニティ、継続的実行方法を模索する企業や行政など、様々な視点とスキルを持つステークホルダーを巻き込んだ活動を予定。内容は成果発表と出会いや活動のきっかけをつくる、年に一回に開催するアート展示を含めたカンファレンス、年間を通して探求と試作を続けるラボ、活動内容を世界に発信するメディアとなっている。
1月18日のオープニングにはコンセプトデザインを担当した社会彫刻家の青木竜太氏が登壇。
「新しい都市の形を探るためには多面的視点が必要であり、新たな認知や思考を生み出すのがアートだ」と話すとともに「多分野で、自分と考え方の異なる人と共に行動を起こす必要がある。ディスカッションした内容は街にインストールしていく」とプロジェクトの意義を掲げた。
主催である幕張メッセからは常務取締役企画本部長の金親芳彦氏が挨拶。「幕張メッセは30年前に日本最大のコンベンション施設として始まり、幕張新都心も同じように月日を積み重ねてきた。当時、東京モーターショーなど産業展示会が中心だったのに対し、最近ではカウントダウンジャパンやサマーソニック、東京ゲームショウなどコンテンツ系の催事が増えてきている」として、都市の在り方が少しずつ変わってきていると指摘。その事実を踏まえた上で「アートを媒介に新たな価値を生み出せないかということでMETACITYは始まった」と語り、第1弾はカンファレンスとトークセッションを中心に2日間開催すると宣言した。
カンファレンス初日には『WIRED』日本版編集長の松島倫明氏による基調講演や、松島氏と千葉市長・熊谷俊人氏によるトークセッションなどが展開。2日目は現”在”美術家の宇川直宏氏による基調講演や、ミュージシャン/アーティストの和田永氏によるパフォーマンスなどが繰り広げられる。会場ではカンファレンスだけでなく、巨大なドームの外側360度に対しプロジェクションマッピング(PM)を行う「AVA/V2」(制作:クリエイティブ・メディア・エージェンシー Ouchhh)や出展企業4社による作品展示、子供向けワークショップも行う。
17時から20時にかけては幕張メッセ正面広場(国際会議場 壁面)でPMを展開。Ouchhhによる初公開完全オリジナル作品と、プロジェクションマッピング国際コンペティション(メディアーツ逗子)グランプリ受賞(2014年)のMaxime Guislainによる作品が披露される。
METACITYは1月19日までの開催でConference + Art Exhibitionの1Dayチケットは3,000円。Art Exhibitionのみだと大人1,000円、高校生以下500円となっており、当日券の販売も行う。なお、プロジェクションマッピングの鑑賞は無料。