ジェトロは1月26日から30日の5日間、経済産業省「クールジャパンビジネス推進事業」の一環として、フランス・リヨンで隔年開催される国際外食産業見本市「Sirha 2019」にジャパンパビリオンを設置する(4年ぶり3回目)。同見本市は、フランス国内のみならず欧州を中心に世界各国から20万人以上(前回Sirha 2017年実績)が来場する欧州最大級の国際外食産業見本市。EU市場への初輸出を目指す6社を含む30社・団体がフランス市場、さらにはEU市場への新規参入、輸出拡大を目指す。
日本産食品の輸出拡大が期待されるEU・フランス市場
2017年の日本からEUへの農林水産物の輸出額は、過去6年間に222億円(うちフランス36億円)から452億円(同72億円)に倍増しており、順調に拡大している(図1参照)。EUは5億1,152万人という人口を抱えるとともに、一人当たりの名目GDPも33,965ドルと高く、さらに2019年2月には日EU経済連携協定(EPA)が発効し、ほぼすべての品目で関税が撤廃されることから、日本産食品の更なる輸出拡大が期待される。
欧州のトップシェフも来場する欧州最大級の国際外食産業見本市
国際外食産業見本市であるSirhaには2万5,000人以上(前回Sirha 2017年実績)のシェフが来場する。会期中には、同会場内で、「美食ワールドカップ」と呼ばれるフランス料理コンクール「Bocuse d’Or(ボキューズ・ドール)」や、パティシエ・コンクールの最高峰「Coupe du Monde de la Pâtisserie(クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー)」も開催される。このため、同見本市はシェフ、パティシエからの関心度も高く、欧州のトップシェフ、トップパティシエも多数来場する。欧州において大きな影響力を持つ彼らをターゲットに日本産食品を売り込む。
ジャパンパビリオンに30社・団体が参加、日本酒、緑茶等を中心に売り込む
今回のジャパンパビリオンには30社・団体が参加。有機認証を取得している日本酒などアルコール飲料(7社)、日本から欧州向け輸出の中でもウェイトが比較的大きい緑茶など茶(6社)、出汁、醤油、味醂、味噌といったこだわりの日本の伝統的調味料など調味料(5社)、加えて欧州でも人気の高い柚子果汁、黒にんにくなどが出品される。また、出品者のうち6社が欧州への初輸出を目指し、茶、めかぶなどを売り込む。
EU向けの食品輸出にかかる検査等支援サービスを提供
ジェトロはEU向け輸出に取り組む事業者支援のため、「EU向け農林水産物・食品の販売力強化のために必要な検査等支援サービス」(注)を実施し、検査証明の取得支援、食品ラベルに関する問い合わせ等への対応を行った。残留農薬検査、栄養成分分析といったEU向け輸出時にバイヤーから求められることに多い検査・分析に加え、GMO検査、グルテンフリー検査、ラベルのEU域内言語への対応等、付加価値をつけることで各社の輸出力強化を支援した。同見本市出品者の一部もこのサービスを活用。会期までに各社が抱える問題を取り除き、対応することで、本見本市での成約を目指す。
(注)今年度における本サービスはの受付はすでに終了。
日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)がベーカリー事業者向けに日本産米粉を提案
JFOODOはジャパンパビリオン内に日本産米粉ブースを設置する。使いやすさ、美味しさ、健康といった日本産米粉のグルテンフリーベーカリー製品の原材料としての優位性を、現地ベーカリー事業者に訴求すべく、現地著名シェフが現地消費者の嗜好に合わせて開発した日本産米粉ベーカリー製品のデモンストレーション・試食提供を行うほか、実店舗での使用を想定した日本産米粉ベーカリー製品レシピや店頭販売促進ツールを紹介、提供。JFOODOは、本取組のほか、現地フランスでのベーカリー事業者向けワークショップ、日本産米粉ベーカリーテスト販売を通じて、ターゲットとするベーカリー関連事業者の日本産米粉への認知・理解、更には取り扱い意向を高める。
【ジャパンパビリオン概要】
主催:ジェトロ
会期:2019年1月26日(土)~30日(水)
会 場:EUREXPO
参加企業:30社・団体
参加規模:285㎡
参加ホール:Hall 1 / Hall 2.1