時代を象徴するスター選手が求められる
―eスポーツという言葉はもはや耳慣れない言葉ではなくなり、多くの人の知るところとなりました
浜村 ファーストステップとしては悪くない滑り出しと言えます。ですが、本物のメジャースポーツと肩を並べるまでに成長するには、十分ではありません。言葉を知っていることと、興味を持って見ることはまったく別だからです。
―eスポーツに興味を持ってもらうためには、何が必要でしょうか
浜村 スター性のある選手やチームが出てくることが何より大切です。かつて野球がテレビというメディアを通じて「見るスポーツ」として発展したのは、長嶋茂雄や王貞治といったその時代を象徴するスター選手がいたからです。野球そのものよりも選手に憧れたファンがいて、結果的に野球を見る文化を築いていきました。
eスポーツの認知は確実に広がっていますので、次は選手を知ってファンになっていただく番です。憧れの選手を見るために会場に足を運び、グッズを買い、観戦する構図が必要です。
―選手を知るきっかけの場についてはどのようにお考えでしょう
浜村 JeSUでは選手が活躍して注目を集めることができる環境を整えるため、今年1月に幕張メッセで開催した「eSPORTS国際チャレンジカップ」のような場を継続して用意していくとともに、海外の名のある大会へも選手を派遣します。
また、地方のeスポーツを盛り上げるため、1月から活動を開始した全国11カ所の地方支部を通じて、IPホルダーとの調整など大会運営のサポートも行っていきます。
―eスポーツの熱は地方にも伝わり、大小さまざまな大会が開かれるようになっています
浜村 元々地方ではコミュニティ単位でeスポーツ大会が開かれていましたが、eスポーツという言葉を知らない人が多く、目に留まらなかったのでしょう。この1年間でeスポーツの認知は飛躍的に向上しましたので、2019年はそこからさらに一歩進んで“eスポーツを見るために会場へ足を運ぶ年”にしていきたいです。
野球やサッカーを見てもらえば分かると思いますが、どのチームも地元のファンや企業の応援・支持によって成り立っています。eスポーツもそうあるべきで、なるべく大会の敷居を下げてゲームをやらない人にも見ていただけるよう、地方支部や地方自治体、行政とも連携して仕組み作りに注力していきます。
(このインタビューの続き「選手を支援したい企業のため、データベースを」、「まだまだ見習うべき『eスポーツ先進国』」、「eスポーツを『知る』1年目から『見る』2年目へ」 は『EventBiz』Vol.14にてお読みいただけます)