観光庁調査結果 日本の国際MICE全体の経済波及効果は1兆円 ~MICEの主催者や出展者による支出額算出し、全体の総消費額も把握へ~

観光庁は4月18日、日本で開催された国際MICE全体による経済波及効果を初めて算出した。それによると、日本の国際MICE全体の経済波及効果は約1兆円、総消費額は約5384億円と推計された。今回の調査は、平成28年度に行われた国際会議(C)による経済波及効果の算出に続いたもので、国際会議に加えて企業会議(M)、企業の報酬・研修旅行(I)、展示会(E)というMICE全体の調査を実施したことが特徴。日本国内で開催された国際MICE全体による経済波及効果(平成28年開催分)を初めて算出した。

井上学・観光庁MICE推進担当参事官は「国際的な視点から日本MICEの意義づけを図るために調査を実施。経済波及効果の算出などをデータ化するということは、いろいろなアングルから判断できる材料になる。今後はこの調査を機に、MICEへの参入意欲を高める〝気づき〞となって欲しい」と話す。

国際MICE全体による経済波及効果は約1兆590億円で、その内訳はMが1614億円、Iが569億円、Cが6789億円、Eが1618億円。中でもCは開催件数と人数が増加し好調で、対前年比15%増加した。展示会の算出結果が小さくみえるのは、今回の調査対象が国際展示会25件を対象にしているため。国際展の基準は、日本展示会認証協議会により国際展としての認証(海外来場者5%以上または海外出展者数10%以上)を取得している展示会や、ほぼ同様の基準を満たす展示会。

調査結果では他に、従来はMICE参加者の個人消費額のみを算出していたが、今回からはMICEの主催者や出展者による支出額を初めて算出。その内訳は、外国人参加者総消費額は1059億円、日本人参加者総消費額は1085億円、主催者総支出額は2395億円、出展者総支出額は845億円。

また、外国人参加者1人あたりの総消費額は、MICE各分野の平均で33万7000円となった。