パネルディスカッション② InfoComm 2019
・〈ファシリテーター〉石丸 隆さん/シーマ
・〈アシスタント〉菊地 利之さん/ヒビノ
・〈パネラー〉増子 達也さん/コセキ
・〈パネラー〉播野 祥磨さん/光響社
・〈パネラー〉辻 洋平さん/新協社
菊地 インフォコムは10年前、世界最大のオーディオビジュアルやデジタルサイネージの展示会でしたが、現在その規模は半分くらいになっています。しかしISEと比較すると通
路が広く、余裕を持って視察ができます。
石丸 そうそう、こっちのほうが断然見やすい。
■製品魅力が伝わる演出
増子 中国製LEDの出展が多いと感じました。アメリカと中国の貿易摩擦が激化する中で、これだけ参加企業が多いというのは、政治的な問題とは別で、経済の部分はつながっているのだと感じました。
LED展示は多いものの、各社展示の演出方法に知恵を絞っているようでした。今回私は、映像が空間に浮かぶ演出に興味があり、透過型のLEDディスプレイにも期待して参加したのですが、LG社のブースの演出が一番派手でしたね。ブース規模も大きく、有機ELディスプレイを使用していました。
石丸 有機ELの透過型ディスプレイを使って多層レイヤーにして、実体と映像レイヤーを重ねていましたね。今回は展示会なのであえて派手に見せていましたが、やりすぎると何を表現しているのかが分からないデメリットもあるので、実際はシンプルに使うことになると思います。個人的には面白い手法だと思う。
辻 LGは、実際の導入先にあたる博物館や病院、店舗などさまざまな施設をイメージできるような製品紹介を行っていました。単に自社製品を展示するだけでなく、店舗であれば、お店の商品の魅力がよりお客さん伝わるような映像を流したり、サプライズを演出したりと工夫が見られました。
播野 私はeスポーツ4Kソリューションを展示していたパナソニック社のブースが良かった。私自身、eスポーツの現場は入ったことがないのですが、ブースではコンテンツの見せ方にもこだわっていて、ぱっと見ただけでも面白いと感じる。また、上下に動く無人カメラをスイッチャーで操作しているようすもあり、働き方改革や省人化といったテーマを意識した展示になっていました。
石丸 パナソニックの展示では普段、ソリューションをパッケージとして展示しているのをあまり見かけませんが、今回はプロジェクターやマルチモニター、カメラ、スイッチャーをすべて自前で用意できる点をアピールしていました。予選会のような、比較的小さい規模のeスポーツイベントの現場であれば、このシステムのパッケージでわりと簡単にできてしまう。
播野 今回、映像機材の魅力を演出でうまく伝えるブースを見ることができましたが、我々が機材の使い方や情報をいくら知っていても、展示会出展者が見て「こういった演出がやりたい」というオーダーがないとなかなか実現しないので、今回見た内容をお客さんに伝えていければ、今後色んなブースが日本でも増えるのではと感じました。