Report:日本映像機材レンタル協会(JVRA)海外視察ツアー報告会 パネルディスカッション

■現場で使いたい映像機材

増子 空間に映像が浮いたように見える回転型の3Dホログラムディスプレイを今回購入しました。類似製品も多く出展されていましたね。インパクトがあるし、非常に面白いのですが、使い方次第というか、映像コンテンツありきなところもあるので、お客さんに提案する際には工夫が必要です。

 僕も好きですね。ホログラム的な映像が簡易的に表現できるのが一番のポイントだと思います。

播野 実用性があって私が購入したいなと感じたのは防水モニター。昨年のインフォコム(ラスベガス)では、防滴モデルは多かったが今回、防水モデルが展示されていました。モニターを水槽に5秒間浸けるデモンストレーションをしていましたよ。モニター背面にブライトサイン(サイネージプレイヤー)を収納できて、IP68の完全防水。普段の仕事で、外現場も多いので、欲しいなと。

 確かに良いですね。僕が行く現場はなぜかよく雨が降りますから(笑)。

石丸 現場目線でメーカーに期待していることは何ですか。

播野 プロジェクターは高性能化にともない大型化しているが、現場の人数は限られているのでなるべく、2人掛かりで持ち上げられるくらいの軽量化はお願いしたいですね。現場で働く女性も増えてきたということもあります。あとは4Kを伝送するものを強化してほしい。4K 8Kを簡単に伝送できれば現場は嬉しいですね。

 技術の進歩はすごいと感じる中で、ローランド社の簡易的なスイッチャーのような、簡単にオペレートできるような機材がもっと増えても良いのではないでしょうか。シンプルで感覚的にスイッチングできるようなもの、コンパクトなものも需要はあると思います。

増子 我々の業界でも、働き方改革を避けては通れないのが現状です。設置や調整のしやすい機材や業務の時短が求められる。そういった点で、クリスティ・デジタル・システムズのプロジェクションソフトウェア「Mystique」に注目しています。簡単に言うと、2台のプロジェクターでプロジェクションマッピングを投影する際、ブレンディング(映像が重なる部分の補正)が必要になりますが、カメラで対象物を撮影し、それをベースに自動で素早く補正してくれるソフトウェアです。

石丸 ほんの一瞬ですよね。本来は常設施設など、長期間の設置の際に振動や不意な接触で、映像がズレてしまったときに自動的に調整できる便利な機能です。オペレーターが通常、カメラを見ながら調整する場合の、一度映像を消して、カラーチャートを出して、待って…と、3分くらいかけて行うものとはレベルが違う。映像を中断することなく流したまま調整をしているので、見え方も悪くないし面白い。我々も昨今、時間を管理することに対して厳しく言われているので、今後も時短につながる製品が出てくるとありがたいですね。


◆JVRAアーカイブス

第1回 ビジュアル空間をつくるプロフェッショナルのシゴト
第2回 ~プロが語る仕事の舞台ウラ
第3回 観客を魅了するステージ演出の舞台ウラ
第4回 日本全国で活躍するJVR協会の仲間たち
第5回 イベント・ステージ業界で活躍する女性たちの仕事
【2016年】海外展示会(ISE・InfoComm)視察ツアー報告会2016
第6回 映像演出の世界で輝く女性たち~女性が活躍できる場を目指して
【2017年】海外展示会(ISE・InfoComm)視察ツアー報告会2017
第7回 イベントを成功へ導く調整役は今日も走る
海外視察ツアー報告会  パネルディスカッションパートⅠ:ISE 2018
海外視察ツアー報告会  パネルディスカッションパートⅡ:InfoComm 2018
JVRA新会長インタビュー 人の集まる場づくりに必要不可欠な“映像” 中島 義人 氏
第8回 JVRAの“ネットワーク” 今までとこれからを語る