八王子観光コンベンション協会は、地域のMICE とMICE 関連事業者ネットワーク形成への理解を深めるため、エクスカーション施行ツアーとMICE 関連事業者勉強会を実施した。2つのイベントの模様を紹介する。
エクスカーション施行ツアー
観光だけでなく、さまざまなプログラムを通して地域特有の魅力を体験できるエクスカーションツアーは、MICE 誘致のためにも有利なPR ポイントとなる。
八王子は「桑都(そうと)」とも呼ばれ、養蚕や織物業が古くから盛んな土地である。八王子の織物は、男物や実用的な着物に多く利用されてきたが、時代が進につれてネクタイやストールなどの雑貨の生産も盛んになった。「多摩織」は地域が生んだ、多摩結城・紬織・風通織・変わり綴・捩り織の5種類の織物の総称であり、昭和55年に通産省から伝統工芸品として指定を受けている。
7月12日に行ったエクスカーション施行ツアーでは、その八王子地域の織物技術と歴史を体験。MICE 関連業者や地域の大学から20人が参加した。
まず、創業から56年を迎えた老舗手捺染工場「勝田ナセン」を視察。色の調合から蒸しなどの作業工程を一貫して工場で行っており、1枚ずつ手で染めて手ぬぐいや風呂敷を作る。代々受け継がれてきた職人の技を間近で見た参加者からは歓声が上がった。
その後、織物工業組合で八王子織物産業の歴史を学ぶとともに、機織り機を使った機織を体験した。
MICE関連事業者勉強会
7月18日のMICE 関連事業者勉強会では、ちば国際コンベンションビューローでMICE 国際誘致を担当する安田弓氏がセミナー形式で講演。現在のニーズの実際やMICE が地域にもたらす経済効果を、自身の経験や事例を通して紹介した。安田氏は「1回のMICE 案件でおよそ50社が関わる。ビューローが幅広い事業者を巻き込み、地域全体で取り組むことで初めて経済効果が生まれる」と話した。
千葉県の事例では「ちーバル」を紹介。ビューローの活動として、学会の開催に合せて地域の飲食店で使える特別チケットを販売した。協賛する店舗はチケット用の特別メニューを用意し、MICE 参加者には翻訳者をつけて団体で繁華街を周遊してもらう形をとった。店舗側とMICE 参加者のコミュニケーションをシンプルにし、参加者側のローカルな店舗を利用したいというニーズも満たしている。