SXSW2020、宇宙産業カテゴリを新設 大麻ビジネスカテゴリは継続して展開

2020年の3月13日から22日の10日間、アメリカテキサス州オースティンでサウス・バイ・サウス・ウエスト2020(SXSW2020)が開催される。SXSWはミュージックやフィルムフェスティバル、カンファレンス、ピッチイベントや展示会で構成され、最先端のイノベーションが集う世界最大級のイベント。今年6月に行われたSXSW2019に来場した総人数は41万7400人で、ミュージックフェスティバルでは15万9258人が来場したほか、カンファレンスは2128のセッションが設けられ4788人のスピーカーと7万3716人が参加した。

SXSW2019のカンファレンスの模様。Jane Coaston (L) and Jay Inslee speak onstage at Conversations About America’s Future: Governor Jay Inslee during the 2019 SXSW Conference and Festivals at Austin City Limits Live at the Moody Theater on March 10, 2019 in Austin, Texas. (Photo by Danny Matson/Getty Images for SXSW)

9月17日に行われた説明会では2020年の開催概要が発表され、PRのために来日したSXSWのピーター・ルイス氏が、2019年では25あったSXSWトラックと呼ばれるカテゴリが、2020年は22に整理統合されることを明かした。

トラックの大きな変更点としてBrands & Marketing がAdvertising & Brand Engagementに、Social & Global ImpactがClimate & Social Actionに、VR/AR TrackがXRへ名称が変わるほか、Art, Food, Style & RetailがConnection & Cultureに統合されることを発表。また宇宙産業への注目の高まりから、新たにSpaceトラックが追加するなど、時代の潮流にあわせたプログラムを用意する。これらの変更点やアップデート点は、話したいテーマがある人は誰でも応募が可能で、一般投票に加えSXSWスタッフとアドバイザリーボードの投票を経て翌年のSXSWのパネルスピーカーを選出するSXSW独自のシステム“パネルピッカー”の影響を受けている。パネルピッカーは応募時のセッション提案内容の統計から傾向や関心を読み取ることができるため、世間が注目するトピックがトラックやセッション内容に反映される。

説明会ではピーター氏が2019年の振り返りを行い、大きな注目を集めたトラックのひとつ、Cannabusiness(大麻ビジネス)について触れ「大きな成功を収めており、大麻ビジネスは収益化の可能性を秘めた産業」と評価。2020年の大統領選でも合法化に向け議論の的になるとの見解から次回もトレンドの一つになると述べた。オースティン在住でSXSWジャパンオフィスのアヤ・ポーター氏も「オースティンでは覚醒作用のないオイルタイプの大麻製品をお店などで見かけるようになった。こういった時代の流れをSXSWもキャッチしている」とコメントした。

さらにピーター氏は近年企業が積極的に発信している社会的行動とZ世代の消費行動予測の関係性や、オンライン上のつながりが増えていくなかで広がる孤独症にテクノロジーがどのように向き合うか、ダイバーシティのさらに先の未来に関するトピックも2020年のトレンドになると挙げた。

その後、説明会ではSXSWをマーケティングとして有効的に活用するために、さまざまなプログラムのなかで特に日本人の参加が多いトレードショーやスポンサードプログラムについてQ&Aに沿ったパネルセッションを行い、出展を検討する企業との相談会が行われた。

Q.SXSWを意識した、来場者のウケを狙ったプロダクトを出展すべきか?
A.ウケなどは考えず、自分たちが持っているプロダクトに自信を持って、正直にアピールしてほしい。より多くの人にアピールするために来場者とのコミュニケーションは積極的に取ってほしい。

 Q.展示品は開発中のプロトタイプがいいのか?

(全文は見本市展示会通信2019年10月1日号に掲載)