サイレックス・テクノロジー株式会社(本社:京都府精華町、代表取締役社長:岡野 喜男、以下 サイレックス)は、CNC装置に対応した工作機械向けプロトコルコンバータ『FBR-100AN』に、信号灯のリーディングカンパニーである株式会社パトライト社製 ワイヤレス・データ通信システム AirGRID(R)(以下 AirGRID(R))との連携稼働モニタリング機能を搭載しました。本機能は2020年2月12日から東京ビッグサイトで開催される「第4回スマート工場EXPO」(小間番号:19-62)で実機デモンストレーションを行い、同年5月から対応プログラムのダウンロード提供を開始します。
『FBR-100AN』はCNC装置から機械の稼働情報を収集し、工作機械向けオープン通信規格MTConnect(MTコネクト)形式に変換、有線LAN・無線LANを通じて上位システムに転送します。既に工作機械メーカ各社やシステムインテグレータから提供されている同プロトコル対応の稼働監視システムに対応しているので、さまざまな上位システムと工作機械の接続が容易になり、生産現場のIoT構築のハードルを下げスマートファクトリの実現をサポートします。
今回、従来からの機能に加え、パトライト社 AirGRID(R)が無線で収集した機械の稼働状態を『FBR-100AN』がネットワーク経由で取り込み、MTConnect形式で転送することを可能にしました。本機能を利用することで工作機械メーカやその利用ユーザはネットワーク対応済みのCNC工作機械はもちろん、ネットワーク非対応の古い工作機械の稼働情報も同じデータ形式で扱えるようになり、上位システムを一つにまとめて統合的に監視できます。
株式会社パトライト 常務執行役員 営業本部長 吉坂 悟志氏は、次のように語っています。「弊社は、信号灯や回転灯などをはじめとしたシグナル機器を主軸製品として成長してまいりました。2010年にはAirGRID(R)をリリースし表示灯IoTをいち早く実現し、多くの製造業にご支持頂いております。これまで、ネットワーク非対応の工作機械は上位システムとの接続が困難でしたが、サイレックス・テクノロジー様『FBR-100AN』とのシステム連携により統合監視を実現いたしました。多くの製造現場においてスマートファクトリ化のお役に立てることを確信しております。」
スマートファクトリ実現に向けての課題として、未だその多くが稼働している旧型機械については複数のレトロフィット用ソリューションが存在するものの、導入パートナーの選定や工作機械との接続設定確認や工場内のLAN敷設も含む費用面からIoT対応のハードルは高止まりしているのが現状です。『FBR-100AN』は、このようなスマートファクトリが抱えるリアルな課題をシンプルに解決する手段として、新旧工作機械のIoT化と生産ラインの稼働性向上をサポートします。
◆『FBR-100AN』の特長
・ファナック社およびブラザー社*1のCNC装置に対応
・複数の通信インタフェースをサポート
・有線LAN x2/無線LAN x1(2.4,5GHz)/シリアル x1(DPRNT)/デジタル入力 x3bit
・有線・無線ブリッジ機能による工作機械とのワイヤレス双方向通信
・工場利用を想定した耐候性サポート
・動作温度 -20℃~50℃*2/防塵防水 IP53/その他 電源部サージ・絶縁対応等
・日本、米国、カナダ、欧州の製品認可に対応
*1. ブラザー社CNC装置対応は2020年2月を予定(有償)。AirGRID(R)連携機能の統合収集モードはファナック社CNCに対応(リリース時)。
*2. 無線LANを非利用、もしくは大容量データを無線で連続して通信し続けない場合は55℃まで対応。
◆『FBR-100AN』・AirGRID(R)連携システム構成例
2つの設定モードからAirGRID(R)連携機能を選択できます。
●最大30台までのAirGRID(R)送信機に対応
●積層表示灯情報のみを収集・転送
●旧型機械をMTConnect対応上位システムに接続
●最大3台までのCNC工作機械、AirGRID(R)送信機に対応
●CNCと積層表示灯を1台の工作機械情報として集約
●上位システムは2種類の情報を機械1台毎の情報として監視
◆今後の展開
本機能は『FBR-100AN』の標準機能としてリリースします。また、現在『FBR-100AN』を利用中のユーザも製品ファームウェアをアップデートすることで本機能を利用できます。サイレックスは、これまで培ってきた『切れない無線』技術をベースに、産業機械メーカの村田機械グループ会社として、本製品の使いやすさや対応工作機械のラインナップを充実させ、スマートファクトリへの対応で成長を図る機械メーカ・システムインテグレータ・ユーザへの提案を積極的に展開します。