イベントの「サステナビリティ」を考える会議が横浜で開催 SB YOKOHAMA 2020

パネルディスカッション
“サステナビリティ”視点が必要となる、これからのイベント

【ファシリテーター】
越川 延明
株式会社セレスポ

人事総務部次長 兼 コーポレートデザイン室長

【パネリスト】
フィオナ・ペラム

Positive Impact Events
CEO

金子 忠彦
世界トライアスロンシリーズ横浜大会組織委員会

事務局長
公益財団法人横浜市体育協会
常務理事・大規模スポーツイベント担当局長

―主催者が自分で目標を立てる上で重要なことは

フィオナ イベントはすべて異なり、正解はひとつじゃないということ。自分を理解し、適切な目標を立てる必要がある。そのためには課題を周囲に聞き、自分たちを測定することだ。その測定がなければ目標は立てられない。

―10年前と比べ、現状をどのように感じているか

金子 チェックリストを作成する際、PDCAを徹底しなくてはならないと感じるようになった。毎年4,000人の意見がPDCAの基となっている。10年前はごみを削減したいという単純な目標だったが、回を重ねるごとに分別の工夫が必要だったり、甘さを体感してきた。常に結果を振り返ることが大切だ。

―ステークホルダーを巻き込む方法は

金子 一緒に考えることが重要。協賛企業と一緒何ができるかを考えていく。お互いをパートナーとして認め合わなければならない。

―これから注目するステークホルダーは

フィオナ イベント業界では、枠を超えて考える必要がある。必ずしもステークホルダーが声を上げる存在とは限らないからだ。例えば、多くの場合にはホームレスを巻き込んでイベントをしようとは思わない。子供も同様だ。あらゆるイベントでステークホルダーの計画は包括的に立てなければならないし、関与するためにどの程度の予算が必要かも把握する必要がある。

―グローバルな課題について

フィオナ より戦略的に考えるべきだ。例えば、プラスチックの使用量や食品ロスを減らすだけなら、イベントをやらないことが最も早い。にもかかわらずイベントを行うのはなぜか。それを突き詰めて考える必要がある。

―サステナビリティとクリエイティビティとはトレードオフの関係なのか

フィオナ それは違う。サステナビリティこそがクリエイティビティだ。もし今後サステナビリティを無視すれば法の規制が増え、するとイベント業界のクリエイティビティが殺される。サステナビリティについて話し合うことで、よりクリエイティブなアイデアを集めることができる。

―これから先、社会はどのように変わり、MICEやイベントはどのような位置づけになるのか

フィオナ 20年内にはMICE業界で働いている人が世界で最も重要になるだろう。既に働いている人こそ、率先してSDGsの話をしてほしい。我々がなぜ人を集めるのか。それを考える業界にしていきたい。