止まらぬイベント自粛要請、消えた展示会

新型コロナウイルスをめぐり、政府は3月9日に専門家会議を開催。これを受け、安倍晋三首相は10日の新型コロナウイルス対策本部でイベント自粛を3月20日頃まで継続するよう呼びかけた。先月26日には3月15日までを目途にイベントの自粛要請を出しており、期間の延長はイベント業界にさらなる疲弊をもたらす。

展示会産業では国内最大のカメラ見本市「CP+」の中止を皮切りに、堰を切ったように開催中止が決定。幕張メッセで3月10日から開催予定だったアジア最大級の食品展示会「FOODEX JAPAN 2020」も中止となった。FOODEX JAPANは世界90カ国以上から3,000社以上が出展する国際展示会で、開催されていれば約8万5,000人が来場するはずだった。

「FOODEX JAPAN 2020」が開幕するはずだった幕張メッセ(3月10日10時撮影)

今回のベント自粛要請の延長を受け、国内最大手の展示会主催会社であるリード エグジビション ジャパンは4月第1週に開催予定だった展示会をすべて延長すると発表。3月に引き続き、4月以降の展示会にも先行きの不透明さが漂う。主催者の多くは依然として政府の動向を固唾を飲んで見守っている状況であり、補償も含め、政府の対応力が問われる。