日本展示会協会(日展協)は4月2日、新型コロナウイルスの感染拡大および東京五輪・パラリンピック延期の影響を受け、2020年12月以降の展示会が予定通りに開催できる措置を求める要望書を東京都に提出した。
東京五輪・パラリンピックのメディアセンターとして使われる予定だった東京ビッグサイトは現在、東展示棟が利用できない状況にあり、西・南展示棟も5月以降は使えなくなる。本来であれば大会終了後に利用制限は解除され、従来通り展示会が開催されるはずだった。ところが、東京五輪・パラリンピック延期に伴い、東京ビッグサイトがさらに一年間使えない可能性が出てきている。
既に展示会主催者は大会終了後の展示会の準備を始めており、中止となれば莫大な損失が生じる。日展協では東京ビッグサイトの利用制限が2021年11月まで延びた場合の損失額を概算。売上損失は主催者で430億円、展示会支援企業で1,440億円、出展企業で1.3兆円の合計約1.5兆円。影響を受ける企業数は展示会支援企業960社、出展企業4万9,200社の合計5万160社となった。
日展協ではこれを「展示会業界にとって再生不可能な痛手」としており、東京ビッグサイトの利用制限が予定通り解除されない場合の代替策を提示。①首都圏に仮設展示場を建設する②幕張メッセ、東京ビッグサイト西・南棟は展示場として使用可能にする③青海展示棟の使用期間をオリンピック後まで延長する④首都圏の他の展示会場も含めた調整⑤五輪後の撤去期間の短縮について再検討⑥既に募集を開始している展示会への支援、の6つに加え、東京五輪が2021年に開催された後の一層の支援を求めた。
要望書は4月4日、東京都議会の都民ファーストの会にも提出される予定。