政府は5月25日、新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言を全国的に解除した。全国での解除は4月7日以降、約7週間ぶりとなる。
この日解除されたのは東京、千葉、埼玉、神奈川、北海道の5都道県。解除目安である「直近1週間の10万人当たりの感染者が0.5人程度以下」を東京、千葉、埼玉がクリア。神奈川と北海道は基準に満たないものの、感染経路の特定や医療体制など総合的な判断から解除が認められた。政府は14日の39県以来、地域の感染状況を見ながら段階的に解除地域を増やしており、25日に全国で解除となった。
全面解除に伴い新型コロナウイルスの「基本的対処方針」も改定された。社会や経済活動を取り戻すため、全国の移動やイベントの開催の自粛も段階的に解除される方針だ。5月いっぱいは県をまたぐ移動を控えるよう求めており、6月19日の全国的な移動容認までは、25日に緊急事態宣言が解除された5都道県への移動に注意するよう呼びかけた。
展示会やイベントは6月19日までは屋内100人、屋外200人を上限に行うことが求められる。19日以降は屋内・屋外を問わず1,000人まで、7月10日以降は5,000人まで、8月頭には上限が撤廃される見通しだ。ただし、いずれも会場収容人数の50%以下であり、人と人との間隔が十分に確保されていることが条件となる。
安倍首相はイベントが人の豊かな生活にとって重要なものであるとした上で、「感染状況に目を凝らしながら来月、再来月と、日常を少しずつ段階的に取り戻していく。あらゆる活動について感染防止対策を講じることを大前提に、本格的に再開する。感染リスクがあるから実施しないのではなく、これからは感染リスクをコントロールしながら、どうすれば実施できるかという発想が重要だ」と語った。