「共創・協働」が生まれるサンシャインシティの新オフィス レポート

サンシャインシティは今夏、同社の働き方変革プロジェクト「ワークスタイル変革プロジェクト」の一環としてオフィスをリニューアルした。イベント開催時に主催者と様々な連動・企画を展開するサンシャインシティ。新たな価値・アイデアを生む環境がどのように生まれ変わったのかを探る。

「ワークスタイル変革プロジェクト」は生き生きと働きがいのある場を実現するため、若手社員が中心となって議論し取り組む独自のプロジェクトで、意識風土向上や制度整備、ICTツール活用といったテーマが設けられている。そのひとつに働く場を考える“ワークプレイス”があり、新たな事務所もプロジェクト会議で挙がった若手の声を多く取り入れている。

「新型コロナウイルスの影響が収まったら、打ち上げなどのイベントでも使用したい」というキッチン&カフェエリア

新たなオフィスは執務エリアの面積を移転前の半分程度に抑え、24の会議室、打ち合わせスペース、キッチンエリアなど様々な機能を持ち合わせる。オフィスのテーマは“共創・協働” で、コミュニティ形成を意識した環境にしており、会議室や打ち合わせスペースにはフレキシブルなオフィス家具を設置。ラフな打ち合わせや、堅苦しくないトークができるようなスペースを用意するなど目的に合わせた使い方ができる。執務エリアはフリーアドレス化しロッカーや共有物をまとめることでスペースを半分に抑え、もう半分をリラックスしてコミュニケーションできるスペースにすることで共創・協働につなげる造りにした。

オフィス家具も用途に合わせたさまざまなものを用意した。

リニューアルを手掛けた総務部の楠川央之氏は「サンシャインシティはイベント会場のほかショッピングセンター、水族館、博物館などさまざまな機能を持ち、それをサンシャインシティ・ビルマネジメントやサンシャインエンタプライズといったサンシャインシティグループが支えている。今回サンシャインシティのグループ企業が同一フロアになったことで、今まで以上の連携強化を期待している。またサンシャインシティ内だけでなく池袋や豊島区エリアとの連携も考え、つながりを生む場として使っていけるように設計した」と述べた。

会議室や打ち合わせスペースなど交流がメインとなるエリアは“サンシャインキャンプ”と名付けられた。由来について楠川氏は「キャンプはリアルの場でないと味わえないことが特徴。オンラインにはない不便さを面白いと感じる点や、みんなと一緒に取り組むから楽しいという側面は新しい事務所にも共通する点があった」と話す。

会議室のドアにはアルファベットに関連する生き物などのイラストが。

内装は全体的に自然をモチーフにしているほか、モチーフに関連するサンシャインシティが取り組む持続可能な開発目標のパネルを展示。例えば海をモチーフにした会議室にはA~Kの頭文字を持つ動物の名前とイラストがあしらわれており、開発目標14の「海の豊かさを守ろう」が掲示されているなど、社員が働きながらSDGsを意識することができる工夫が施されている。

森をモチーフにしたエリアのシンボルになっている、木を模した柱。いつのまにか社員がミナミコアリクイのぬいぐるみを設置していたという。