政府は今月2日、11都府県に発令中の緊急事態宣言について、2月8日以降は栃木県のみ解除し、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県および福岡県の10都府県については、3月7日まで延長すると発表した。
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【3月1日更新】政府 宣言解除後にイベント開催制限を段階的緩和へ
会見で菅義偉首相は「対策を徹底し、状況が改善された都府県に関しては期限を待たず順次宣言を解除する方針だが、すべての都府県で1カ月で解除できるよう、対策の徹底を図っていく。まず3ステージに移行することを考えている。その先は専門家と相談しながら解除可能なところは解除していきたい」と述べた。
この延長措置に伴い、10都府県で開催されるイベントについては引き続き、1月に各都道府県に通知された目安が適用される。緊急事態措置が解除された都府県についても、地域の感染状況等を踏まえ、段階的に制限を緩和することを求めた。
2日の新型コロナウイルス感染症対策分科会では今回の緊急事態宣言について、昨年4月の緊急事態宣言と異なり「急所」を押さえた対策であり、短期間に効果が上がり、全国的に新規報告数が減少傾向を示してきていると評価。
地域ごとに見れば、現時点で、既に解除に向けて改善が見られてきている地域もあるとする一方で、感染の水準がいまだ高く、医療への過剰な負荷が継続しているため解除が難しい地域もあるとした上で「この一カ月の対策の実績を基に、経済の早期の再生に向け、社会を構成する全員が今まで以上に一体感を持ち、可及的速やかに、感染を沈静化させ、医療の機能不全から脱却させることが求められる。国民の幅広い理解と協力を得るためにも、全国の産業・雇用対策について、国は検討する必要がある」と提言を行った。
東京都および埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県と岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県および福岡県でのイベントの開催については、屋内・屋外ともに5000人以下、かつ屋内においては収容定員の50%以内の参加人数にすること。また、屋外については人と人との距離を十分に確保すること(できるだけ2m)。
特定都道府県においては、20時までの営業時間短縮(酒類の提供は11時から19時まで)を働きかけることとする。なお、無観客で開催される催物等については、営業時間短縮の働きかけの対象とする必要はない。
特定都道府県の対象から除外された都道府県については、地域の感染状況等を踏まえながら、段階的緩和を検討すること。
特定都道府県以外でのイベントについては、引き続き去年11月12日に示された開催制限の目安が適用される。
(1)特定都道府県
①特措法に基づく要請を行う施設
飲食店と遊興施設(バー、カラオケボックス等で食品衛生法の飲食店営業許可を受けている店舗)は特措法に基づき、20時までの営業時間短縮と、酒類の提供を11時から19時までとすること。
②①と同様の働きかけを行う施設
以下の施設については、20時までの営業時間短縮と、酒類の提供を11時から19時までとすることを働きかけていくが、法律に基づく要請は行わない。(上5つに関しては人数上限5000人かつ収容率50%以下とすることも働きかける)
・運動施設、遊技場
・劇場、観覧場、映画館又は演芸場
・集会場又は公会堂、展示場
・博物館、美術館又は図書館
・ホテル又は旅館(集会の用に供する部分に限る)
・遊興施設のうち、食品衛生法上における飲食店営業の許可を受
けていない施設
・物品販売業を営む店舗(1000平米超)(生活必需物資を除く)
・サービス業を営む店舗(1000平米超)(生活必需サービスを除く)
(2)特定都道府県の対象から除外された都道府県
①飲食店と遊興施設(バー、カラオケボックス等で食品衛生法の飲食店営業許可を受けている店舗)にはステージⅡ相当以下に下がるまで営業時間の短縮の要請を継続すること。なお、営業時間及び対象地域等については、地域の感染状況等に応じ、各都道府県知事が適切に判断すること。
②以下の施設については、地域の感染状況等に応じ、営業時間の短縮等の働きかけについて、各都道府県知事が適切に判断すること。
・運動施設、遊技場
・劇場、観覧場、映画館又は演芸場
・集会場又は公会堂、展示場
・博物館、美術館又は図書館
・ホテル又は旅館(集会の用に供する部分に限る)
・遊興施設のうち、食品衛生法上における飲食店営業の許可を受
けていない施設
・物品販売業を営む店舗(1000平米超)(生活必需物資を除く)
・サービス業を営む店舗(1000平米超)(生活必需サービスを除く)
以下が政府から2月4日に各都道府県に通知された、緊急事態宣言に伴う催物の開催制限に係る留意事項の概要。
(1)特定都道府県
催物開催の目安を以下のとおりとする。
・ 屋内、屋外ともに5,000人以下。
・ 上記人数要件に加え、屋内にあっては収容定員の50%以内の参加人数にすること。屋外にあっては人と人との距離を十分に確保できること(できるだけ2m)。
・この人数上限及び収容率要件については、国として示す目安であり、各都道府県においては、それぞれの地域の感染状況等に応じて、異なる基準を設定することができる。
・収容率については、必ずしも屋内・屋外のみで区別されるものではなく、屋外であっても、座席等により参加者の位置が固定され、かつ収容定員の定めがある場合には、収容定員の半分程度以内という基準を用いることとする。また、屋内であっても、座席等により参加者の位置が固定されず、又は収容定員の定めがない場合には、人と人との距離を十分に確保という基準を用いる。
・各都道府県においては、事前相談時その他の必要な場合に、イベント主催者等からの聞き取り等で、業種ごとに策定された感染拡大防止ガイドラインでの担保状況等を確認すること。
・各都道府県においては、地域の感染状況やイベントの態様に応じて、個別のイベント開催のあり方を適切に判断し、例えば、入退場時や共用部、公共交通機関の三密が避けられない場合、人数上限を下回る範囲で三密の回避可能な人数に制限すること。
・また、祭り、花火大会、野外フェスティバル等、参加者が自由に移動でき、かつ、入退場時や区域内の適切な行動確保ができない催物については、各都道府県は、イベント主催者等と十分に連携しながら、地域の感染状況等を踏まえて、開催の態様・有無を判断すること。
① 全国的又は広域的な人の移動が見込まれるものや参加者の把握が困難なものについては、引き続き、中止を含めて慎重に検討するよう促すこと。具体的には、催物を開催する場合については、十分な人と人との間隔(1m)を設けるよう促すこととし、当該間隔の維持が困難な場合は、開催について慎重に判断すること。
② 地域で行われる盆踊り等、全国的又は広域的な人の移動が見込まれない行事であって参加者がおおよそ把握できるものについては、6月19日以降は人数制限が撤廃されていることに留意すること。また、引き続き適切な感染防止策(例えば、発熱や感冒症状がある者の参加自粛、三密回避、十分な人と人との間隔の確保(1m)、行事の前後における三密の生ずる交流の自粛、手指の消毒、マスクの着用等)を講ずることを呼びかけるとともに、イベント主催者等に対し、イベントを開催する前に、イベント参加者による厚生労働省から提供されている接触確認アプリ(COCOA)や各地域で取り組まれている接触確認アプリの活用や、感染拡大防止のためのイベント参加者の連絡先等の把握の徹底を促すこと。
・催物開催に当たっては、別紙1(以下画像)に留意するよう促すとともに、業種別ガイドラインの徹底や催物前後の「三つの密」及び飲食を回避するための方策が徹底できない場合には、開催について慎重に判断すること。
・特定都道府県においては、20時までの営業時間短縮(酒類の提供は11時から19時まで)を働きかけることとする。なお、無観客で開催される催物等については、営業時間短縮の働きかけの対象とする必要はない。
・新しい目安は、緊急事態宣言発出の後、最大4日間の周知期間を経て、その翌日から適用すること。
・具体的には、チケット販売開始時期等に応じ、次のとおりとすること
ア 2月4日時点でチケット販売開始後の催物(優先販売など、名前の如何に関わらず、何らかの形で販売が開始されているもの)
2月4日時点で販売済のチケット及び周知期間中に販売されるチケットは新しい目安は適用せず、キャンセル不要と扱うこと。ただし、周知期間終了後(新しい目安が適用された日)から、新たな目安を超過するチケットの新規販売を停止すること。
イ 2月4日時点でチケット販売開始前の催物
・上記周知期間内に販売開始されるもの
周知期間内に販売されるチケットは、新しい目安は適用せず、キャンセル不要と扱うこと。ただし、周知期間終了後(新しい目安が適用された日)から、新たな目安を超過するチケットの新規販売を停止すること。
・上記周知期間後に販売開始されるもの
新たな目安によること。
・年度末に向けて行われる行事等
年度末に向けて人の移動が活発になり、また、卒業式等の行事の開催が見込まれる。
こうした行事については、感染防止を徹底するとともに、人と人との間隔を十分に確保する等、適切な開催方法を検討するよう働きかけること。
特に、より多くの人が集まる行事、例えば、大学の卒業式は適切な開催のあり方を慎重に判断するよう働きかけること。
飲食につながる謝恩会及びこれに類するものについては、自粛を働きかけること。
卒業旅行については、若者が感染に気付かず活発に移動することにより、高齢者等に感染を広げている実情を踏まえ、自粛を働きかけること。
(2)特定都道府県の対象から除外された都道府県
・特定都道府県の対象から除外された都道府県については、地域の感染状況等を踏まえながら、段階的緩和を検討すること。
・年度末に向けて行われる行事等
卒業式等の行事については、感染防止を徹底するとともに、人と人との間隔を十分に確保する等、適切な開催方法を検討するよう働きかけること。
謝恩会及びこれに類するものについては、飲食を伴わない開催を検討するよう働きかけること。飲食を伴う場合には、令和2年12月11日付け事務連絡「Ⅱ1.(1)忘年会・新年会」に記載の工夫を働きかけること。
卒業旅行については、時と場所が分散される「分散型旅行」を図り、なるべく混雑しない平日の間、いつもの仲間での行動などを働きかけること。
(3)その他の都道府県
11月12日付け事務連絡のとおり取り扱うこと。
なお、特にステージⅢ相当の対策が必要な地域においては、それぞれの地域の感染状況等に応じて、国として示した目安より厳しい基準を設定しうる。