6月3日、オンライン上のキャンペーン「東京ビッグサイトの突然の使用禁止により発生した損失の補償を求めます」で集まった2万7,321名分の署名が東京都に提出された。発起人はイベント人材派遣などを手掛けるトライフルの久野華子代表。
今回の署名は今年4月23日に政府が国内3度目となる緊急事態宣言の発令を決定した際、翌24日から東京ビッグサイトが急きょ使用禁止となったことに端を発するもの。当時、東京ビッグサイトでは同人誌即売イベント「SUPER COMIC CITY GYU!!」や展示会「Japan IT Week」「日本ホビーショー」が開催直前で、搬入など準備が進められている状況だった。これを受け、久野氏は4月29日からオンラインで署名活動を開始した。
6月3日に都内で行われた記者会見で久野氏は、都が準備期間が一切ない上で使用禁止を強行したこと、都が示す例外措置が検討もなく適用されなかったこと、現状のイベントへの補償が不十分であることを問題点として挙げた。特に補償については主催者のみが対象で上限額2,500万円であることから、金額的にも不十分である上、関連企業や出展者がないがしろにされていると指摘。都に対し補償金額を損失額の50%まで引き上げるよう要求するとした。
記者会見に出席した日本ホビーショー主催者である日本ホビー協会の荒木武美智専務は今回の件による損失額が約1億7,000万円に上るとして、「協会の存続に関わる」と苦渋の表情を浮かべた。また、都や政府の窓口を通して意見を提出した際に十分な返答がもらえておらず、問合せ窓口が十分に機能していないことも問題視した。日本ホビーショーは2020年から2年連続の中止となっており、協会の会員数も減少に歯止めがかからなくなっていることから、厳しい状況が続く。