2020年は8兆6649億円 前年の49.5%と大きく減少 JACEイベント消費規模推計

日本イベント産業振興協会は(JACE)は6月16日、2020年のイベント消費規模推計を発表した。イベントに対する様々な支出(出発前、交通費、宿泊費、会場内、会場外、イベント後)を含めたイベントの全体消費規模金額は8兆6,649億円で前年比49.5%となり、調査が始まった2012年以降、初めて減少した。

どのイベントカテゴリーでも数値は減少しており、その中でも会議イベントが9,038億円(前年比40.5%)、興行イベントが2兆6,613億円(同43.5%)、スポーツイベントが1兆764億円(同44.2%)となり、いずれも50%を下回る大きな影響を受けた。

今回から新たにオンラインイベントに関する意識について調査項目を追加。「音楽アーティストのライブ」で2020年のオンラインイベントの参加率は17%程度、参加意向は32%となっており、次いで「観劇」や「エンターテイメント性の高いショー」でも20%程度の参加意向となった。オンラインイベントのイメージは「移動時間が節約できる」、「交通費や宿泊費が節約できる」といった意見が55%を超えたことから、JACEは「オンラインイベントの特性を活かしたイベントへの参加が、ウィズコロナの環境により急速に進んでいることが見受けられる」とコメント。

第7回を迎えた「JACEイベントアワード」のエントリー作品にも、新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じたイベントや、リアルとオンラインを組み合わせたハイブリッドイベントなど新たな形式にチャレンジした作品が多数エントリーされた。この状況についてJACEは「ウィズコロナで企業が社会的な課題解決にチャレンジするイベントや、最新テクノロジーの利活用によって来場者の感動を増幅させるイベントが登場している。イベントは新たな領域を拡大していくフェーズに入った」との見解を示す。
調査報告書「2020年イベント消費規模推計報告書」は協会ホームページから購入できる。デジタル版も配信会社から直接購入可。