スターウッド、直取引で日本でのMICEビジネス強化(11/15)

世界最大のホテルチェーン、スターウッドホテル&リゾート ワールドワイドがMICEビジネス強化策を打ち出した。

これまでスターウッドは、旅行会社を通じて営業活動を行なってきたが、専用の予約サイトを立ち上げ、旅行会社を通さない直接取引での受注拡大を図る。

スターウッドはシェラトンなど全9ブランドで世界100か国に1000を超えるグループホテルをもつ。こうした海外のホテルに端末を置き、専門サイトからウェスティンホテル東京など日本のグループホテルの宴会場の空き状況や見積もりを閲覧したり、予約もできるようにするという。

海外の法人顧客にとっては、ワンストップで日本国内でのMICE関連の予約ができることになる。スターウッドは日本国内の15ホテルに、問い合わせや予約などをフォローする専門のMICEスタッフを置く方針を明らかにしている。すでにシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルでは日本国内の企業(外資系を含む)の説明会を行なったり、中国や東南アジア企業のMICE担当者を日本に招待するなどして、MICE需要獲得に積極的な展開を図っている。

さらに、国内9ホテルでは、MICE特別プランを販売、2012年2月末までにMICEを実施する企業・団体向けに最大3割引にするなどの対応策も講じ、10月末時点で、合計500泊の予約を確定させるなど効果もみせているという。

こうした強化策は、特に震災後に需要が激減した海外からのMICEのインバウンド策としての効果を期待してのもの、と説明している。震災ではスターウッドグループの国内ホテルにも大きな影響が及んだ。MICE関連で11万7000泊がキャンセルとなっており、売上げの2割をMICEで稼ぐ同グループにとって大打撃となった。さらには、原発問題の長期化と円高、世界的景気の低迷が追い打ちをかけ、7月、8月から回復が見えてきたものの、本格回復にはいたっていない、とミゲル・コウ・アジア太平洋地区会長兼社長は現状を話した。

スターウッドグループでは総力をあげ、世界で「日本の安全性」をアピールし、MICE獲得につなげるとしている。(11/15)

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