海外のMICE戦略に学ぶ実践セミナー(2/24)

人の移動、交流による地域振興などを手がける(株)REGIONは2月24日、アリス・アクアガーデン品川で「第1回インバウンドMICE実践セミナー」を開催した。

協賛は(社)日本観光振興協会、後援は日本政府観光局(JNTO)、(一社)日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB)、(財)国際観光サービスセンター(ITCJ)、(社)国際観光旅館連盟。

同セミナーではMICE先進エリアとして知られる香港とマカオの観光局の担当者が、最新事情や具体的な事例、受け入れのノウハウなどを講演。海外の先進事例を実践的に学び、日本のMICE市場について考える機会を提供し、インバウンド誘致やMICEに関心のある、各自治体、観光協会、宿泊施設、 旅行会社などの訪日外国人旅行者受入れの促進につなげることを目的に開催したもの。

 

 

 

【『アジアにおける観光戦略と日本のMICE』/千葉 千枝子氏】

基調講演に登壇した千葉 千枝子氏(観光ジャーナリスト・東京成徳短期大学 城西国際大学 観光学講師)は、『アジアにおける観光戦略と日本のMICE』と題し、アジア圏、欧州圏、北米圏の地域における観光戦略の動向を紹介。

世界遺産などの文化に触れるヘリテージツーリズムや、フードツーリズム、産業観光、メディカルツーリズム、スポーツツーリズムなど、細分化する観光メニューのなかでも、「MICEは近年特にアジア圏で注目の高まりを感じる」と言及した。

アジアでのMICE誘致は過熱しており、千葉氏は各国での取材を通じ、地理的条件、ハブ空港とインフラ、バリューフォーマネー(コストパフォーマンス)、ホスピタリティ/ファシリティ、周辺観光と観光資源の魅力が優位性として挙げられると指摘。なかでもアフターMICEの充実とユニークベニューの豊富さがキーポイントだとして、「MICE開催には地域資源を活かした独自の提案が優位に働く。だからこそ首都でなく、最大都市でもない地方都市にとっては好機」と、極東日本と地理的感覚の類似する、欧州の入り口・アジアの果てと言われるトルコ・イズミルでの成功事例を引き合いに見解を述べた。

 

【『成長を続ける香港MICE市場 ~企業旅行誘致の戦略とは?』/香港政府観光局・古谷剛氏】

進事例として登場した香港政府観光局の古谷剛氏は、「成長を続ける香港MICE市場 ~企業旅行誘致の戦略とは?」をテーマに具体的な取組みを発表した。

日本事務所で香港へのMICE誘致を担当する古谷氏は、2006年以降、企業団体旅行は増加の傾向にあるとし、MICEの「I(報奨旅行、社員旅行)」について同局が推進する販促強化策を紹介。「MICEの販促は、M、I、C、Eそれぞれにアピールする対象とポイントが違います。一つのやり方ではプロモーションできない」と、カテゴリーごとの訴求ポイントをコンセプトにしたパンフレット作成として実物を配布した。

また、企業旅行主催者をターゲットとして実践した「I」の販促展開手法をメインに解説し、誘致成功のためには「何を望んでいるのか知ることが有効な手段だ」と話した。たとえとして、特別感を味わいたい、という要望に対して“国宝級の会場を貸し切って…”と大上段に構えるのではなく、海外団体に限定して使用可能となっている会員制クラブでパーティをするなどの内容でも充分な満足感を提供できるとし、そのほかの事例も合わせて具体的にレクチャーした。

 

 

【『年間2,500万人の旅行者を誘致する 小さな巨人—マカオのMICE戦略とは?』/マカオ観光局・府川尚弘氏】

海外先進事例では、マカオ観光局の府川尚弘氏も登壇し、『年間2,500万人の旅行者を誘致する 小さな巨人—マカオのMICE戦略とは?』をテーマに展開。

東京でいう品川区ほどの大きさのマカオが、日本からの旅行者数を2010年には40万人にまで押し上げ、ディスティネーションTOP15入りしたという誘致成功の秘訣を語った。2000年のデータによると、マカオへの観光客の66.7%は日帰りだったが、現在はIR(統合型リゾート)への再開発が進んだことを背景に、宿泊型に転向。そのうちの6割は高級ホテルに滞在しているという。

また、MICE施設の充実により、全世界から訪れるビジネス利用の訪問者のうち95%は展示会を目的にしている。府川氏は、「マカオは現在も開発が進んでおり、日々進化する都市。決して受入の体制が整っているわけではない」と明言するが、“「進化するマカオ」として躍動する新都市と歴史遺産”を切り口に市場先行型のマーケティング活動をしてきた、と話す。香港の弟分という存在から独立して独自のプロモーション展開を図ってきたマカオであるが、この5年以内にはマカオと香港は橋でつながり車で20分のアクセスとなる。再び香港-マカオがタッグを組み、プロモートしていくことを検討する必要がある、と結んだ。

 

【『MICEの推進について』/観光庁MICE推進担当参事官・高見牧人氏】

さらに、特別講演として観光庁・MICE推進担当参事官の高見牧人氏が『MICEの推進について』国の施策を報告した。

高見氏は「日本はアジアで1、2位を競うMICE誘致国。ビジネスの大きさや、国際会議誘致を90年代から一生懸命やってきた先人の努力によっていまの地位を築いてきた。しかしながら、この数年で、逆転しつつあり、ここは踏ん張りどころだと考える。観光庁としても、みなさんと一緒に議論し勉強してMICEを大きくし、アジアの競合都市に勝っていくためにがんばっていきたい」と熱弁をふるった。

 

 

 

 

さいごに、千葉氏、古谷氏、府川氏をパネラーに主催者・REGION代表の江口氏が司会進行を務め「海外のMICE戦略で、日本がなにを学ぶ?」と題したパルディスカッションが行なわれた。

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『展示会とMICEニュース』  メルマガニュース版 (水曜日)

━○Shenzhen is Fresh!○━2012年2月29日vol.45━━━━━━━━━━━━━━━━

展示会とMICEニュースの樋口です。展示会の専門出版社ピーオーピーから毎週

展示会とMICEにまつわる情報を配信させていただきます。

 

展示会やMICEとタイトルについているセミナーの情報を発信していますが

今回は、ホスピタリティについて考えるきっかけになりそうな講演会についてご案内します。

 

ホテルや旅行関係の皆さんにとって、参考になるハズ。

もちろんMICEにも応用できることと思います。

 

私も参加予定です。予定通り媒体の制作を進めてぜひ行きたいものです。

いや、なんとしても行くのだ~(宣言)。

 

▽『ミッキーマウスに頼らない本物の指導力』出版記念講演会についてはこちら

 

 

《今週の“もくじ”》

1.今週のニュースヘッドライン

2.今週の展示会【期間:2012.2.27~3.4】

3.Shenzhen is Fresh!~「田中旅日記」その1~

 

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【1】今週のニュースヘッドライン

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・米国食品見本市に日本パビリオン設置

 

・ミーティング・プランナーが交流深める

 

・海外出展とネット通販などの消費者向け流通と連動

 

・海外のMICE戦略に学ぶ実践セミナー

 

最新ニュースは、随時更新中です。

 

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【2】今週の展示会【期間:2012.2.27~3.4】

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▽札幌

2月28日(火)・29日(水)

札幌コンベンションセンター

2012 SKI EXPO Japan

 

▽東京

2月28日(火)・29日(水)

東京国際フォーラム

http://expo.nikkeibp.co.jp/cloud/2012spring/index.html

Big Data EXPO 2012 春

Cloud Days Tokyo 2012 春

スマートフォン&タブレット 2012 春

 

2月29日(水)~3月2日(金)

東京ビッグサイト

「スマートエネルギーWeek」

http://www.fcexpo.jp/ja/About-FC-EXPO/Concurrent-Exhibitions/

FC EXPO 2012 ~第8回国際水素・燃料電池展~

PV EXPO 2012 ~第5回国際太陽電池展~

第2回エコハウス&エコビルディングEXPO

第2回国際スマートグリッドEXPO

第3回国際二次電池展 ~バッテリー ジャパン~

第3回太陽光発電システム施工展

第3回量産 試作加工技術展

 

3月1日(木)・2日(金)

サンシャインシティ・コンベンションセンター

ネット&モバイル通販ソリューションフェア 2012 in 東京

http://www.tsuhan-fair.com/

 

▽横浜

3月1日(木)~4日(日)

パシフィコ横浜、横浜ベイサイドマリーナ

ジャパンインターナショナルボートショー 2012

http://www.marine-jbia.or.jp/boatshow2012/

 

▽名古屋

3月2日(金)~4日(日)

名古屋市中小企業振興会館

ハウジング&リフォームあいち 2012

http://www.chukei-news.co.jp/housing/

 

 

 

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【3】Shenzhen is Fresh!~「田中旅日記」その1~

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With the current call for an internationalized in Japan exhibition industry

ちょっと海外に行ったので英語かぶれしてみたのですが、長くは続きませんでした。

 

わたくし田中が“にわか国際化”した原因は、国際見本市連盟(UFI)の「公開セミナー in

アジア」。2月23日・24日、中国の深セン コンベンション&エグジビションセンターで

開催された同セミナーを取材してきました。今回は日本展示会協会会長を務める、リード

エグジビションジャパンの石積忠夫社長が「While most organizers cancelled due to the worst disaster, how did we make our show a big success? –大震災で多くの展示会が

中止の中、我々はどうやって成功させたのか?」と題して基調講演を行ないました。

 

津波や原発事故の写真や被害状況を交えたプレゼンテーションに、聴講していた世界中の

関係者は…

続きはWeb版展示会とMICEへ

 

来週から他の講演者のセッションや、会場の視察など「田中旅日記」がはじまります。

(田中)

 

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◇ピーオーピー活動日誌◇

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先週は仙台に行き、海岸線近くまで足を運んできました。

車窓から見える風景は、今なお遠くまで荒土の風景がただ広がり、あれから1年経つのに

復興の道のりは遠いいなと改めて思い知らされました。

ただ、宮城の展示施設、夢メッセみやぎが夏には営業再開の見込み。

経済活動の活性化が地域の復興を早めるのは間違いなく、明るい兆しとして1日も早い再開を

皆が望んでいることを実感してきました。

また、「展示会産業活性化推進のための仙台セミナー」に参加。

セミナーでは展示会認証の話などがありましたが、気になる認証の詳報は4月の

「見本市展示会通信」でじっくりと解説したいと思います。(池上)

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最後まで本メールマガジンを読み進めていただいた方に御礼申し上げます。(樋口)

 

 

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