野田総理、世界の観光業リーダーら1000名にメッセージ(4/17)

各国の観光分野のトップが集まる世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)グローバルサミットは、17日、宮城県仙台市で「日本の復興とアジアの展望フォーラム」をテーマに開幕。3つのセッションでは、特に震災からの復興の取組みに焦点をあてた内容で展開された。

東日本大震災以降、大規模な国際会議が開催されるのは今回が初めてとなった仙台市では、仙台と東北の観光地の復興状況と安全性をPR。サミットに先立ち、13~16日には参加者に松島町や岩手県平泉町などの観光地や、仙台市沿岸部の被災地を視察するツアーなども行なわれた。

引き続き18、19日に行なわれる東京サミットに向け、参加者は17日午前中のセッションを終えると、仙台から東京へと移動。夜には、ウェルカムディナーin東京が開催された。

ウェルカムディナーin東京には、野田佳彦総理が駆けつけ、参加者約1000名に向け、次のように挨拶した。

「各地よりお集まりただきました観光業のリーダーの皆さま、桜に彩られた美しい季節の日本へようこそお越しくださいました。

震災によって大きく被害を受けた東北地方の太平洋沿岸は世界各地からのあたたかいご支援もあり、再生に向けた歩みを力強く進めています。昨日、東北地方を訪問いただいた方々は、復興の確かな息吹を感じていただけたのではないかと思います。

震災からの復興だけでなく、世界最速で進む少子高齢化をはじめ、わが国は困難な課題をいくつも抱えております。こうした困難を乗り越えていくためには、日本のなかに埋もれているさまざまな潜在力を解き放っていくことが欠かせません。幸いにして日本には、昨日訪れていただいた平泉や松島など、四季折々に楽しめるすばらしい観光資源がたくさんあります。わが国は地方を海に囲まれていますが、季節によっては流氷の張りつく海もあります。さんご礁のすばらしい海もあります。国土は狭いのですが、見所はたくさんあります。日本の観光資源促進は、まだまだ開拓しなければならないものばかりです。観光は日本にとってまさにフロンティアであります。

本日お集まりの皆さまにぜひともお願いしたいことがあります。皆さまは、ビジネスや国際会議はもちろん、観光においてもわが国が安全で快適な訪問地であることを十分にご理解いただいているものと思います。今回のご訪問を機に、こうした日本の魅力やその安全、快適な現状について、とりわけ東北地方のすぐれた観光資源について皆さまの国で広くお伝えいただきたい。世界中のひとりでも多くのかたに日本、そして被災地東北に来ていただけることを願ってやみません。

私は観光のもっている力を信じています。観光は新たな出会いと季節のよろこびをもたらし、地域を勇気づけ、経済を活性化します。観光は国境を越えてひとびとの信頼関係をはぐくむことにつながります。日本は被災地は、それぞれの地域によって性格の異なるおいしいものがあります。おいしいお酒があります。人情と機微があります。

日本はすばらしい、被災地はすばらしい。ぜひ皆さん、ご理解をいただきたいと思います」

東京サミットでは、「波乱の時代のダイナミックな産業を率いて」をテーマに、6つのセッションと2つの基調講演が行なわれる。(4/17)