1月18日から20日の3日間、展示会「KEEP IT REAL」が虎ノ門ヒルズフォーラムで初開催した。
「今後のリアル展のあり方を考える新しい形の展示会」として打ち出され、未完成品の出展も可能。特に来場者とのコミュニケーションを重視する。来場対象者はバイヤーだけでなく、デザイナー、マーケティングやブランディング関係者など。それぞれの立場からの視点で出展品を吟味してもらうことで、製品をブラッシュアップしてもらおうという狙いのイベントだ。
こうした濃密なコミュニケーションを促進するため、会場入り口と各展示台には意見やアイデアを書き込めるようにメモ帳とペンを設置。展示台も来場者が一人で静かに製品を見ることができるタイプと、複数人でコミュニケーションを取りながら製品を眺められるタイプを用意した。
栗原精機は金属の精密切削加工を行う企業で、コンパクトにたためるスタンドライトなどのキャンプ用品や雑貨を出展した。元々はカメラ内部や三脚のパーツを生産していたが、技術を活かしキャンプ用品の販売を開始。今回の出展では「ライトにカメラやスマートフォンを取りつけられるようにしたらどうか」という意見をはじめ、さまざまなヒントを得られたという。
また同展は“オンラインとリアルは対比されるものではなく補完し合うものとして有り、それぞれの良さを活かしあうもの”という考えを示している。
石川県でパンフレットや結婚式の招待状のデザインなどを行うDesign Storeは、雪の降る石川県から出展。今回は伝統工芸品の水引のアクセサリーを会場内に展示し、オンラインで来場者にそのほかのサービスも合わせて紹介した。
KEEP IT REALではコミュニケーションのほかに、「体験価値」に焦点を当てて構成されている。会場内のレイアウトだけでなく、会場を包む音にもこだわって演出を行っており、夜の時間帯にはDJの友光雅臣さんが登場した。
実行委員会メンバー・SUPER PENGUINの竹村尚久代表取締役は「出展者がKEEP IT REALを通して商品をブラッシュアップし、大型の展示会に臨めるような場所としていきたい」とコメント。同展は東京ビッグサイトなどで行われる大型展示会との連携を見据えて立ち上げられており、今後の活動にも期待がかかる。