台湾アテモヤのプロモーションにイベントを活用 TAITRA

昨年3月、中国政府が台湾産パイナップルの輸入禁止を発表した。日本は主要輸出先を失った台湾への支援としてパイナップルの輸入量を増加させ、その量は2021年、対前年同期間比で8.24倍となった。そして昨年9月、中国は続いて「台湾アテモヤ」の輸入禁止措置を発表。そこで台湾貿易センター(TAITRA)は「台湾アテモヤ」の販路拡大を図るため、日本でイベントを活用したプロモーションを進めていく。

対台湾貿易の促進・支援を行うTAITRAは2月17日、報道関係者向けに都内・パレスホテルで「台湾アテモヤ新商品発表会」を実施した。はじめに台湾農林水産省の陳吉仲大臣とTAITRA董事長の黄志芳氏がビデオメッセージを寄せ、台湾アテモヤについてアピール。さらに台北駐日経済文化代表処の謝長廷駐日代表が登壇し、台湾アテモヤの対日輸出量が増えることで「台湾と日本の友好関係がさらに深まることを期待している」と述べた。
台湾フルーツの輸入販売を手掛けるWismettacフーズの担当者は台湾アテモヤについて「現在はギフト食材としての流通が主だが、今後は小売りや外食産業向けの食材としての流通拡大が期待できる」と台湾アテモヤの可能性について語った。

TAITRAの陳英顯所長はアテモヤの生産について「台湾のひとつの産業として育ててきた」と話す。アテモヤの生産量世界1位である台湾は昨年5万7000トン分のアテモヤを生産し、そのうち1万6000トンを輸出しており、その割合は中国本国が90%、香港が8%を占めていたという。主要輸出先を失ったことから陳所長は「ピンチをチャンスに変えるべく、日本やシンガポールを中心に他国への輸出量増加を狙う」と述べ、保存のための冷凍技術を国を挙げて開発したことをアピール。日本への輸出量2000トンを目指すとした。

発表会には台湾観光局親善大使を務めるタレントの渡辺満里奈さんが登場した。

日本での認知度向上を目指すあたり、TAITRAは銀座、日本橋、品川、六本木、京都駅でのプロモーションを行う。今後はイベントを活用したプロモーションも行う予定で、Wismettacフーズは3月26日にベルーナドームで開催される「西武ライオンズ対オリックスバッファローズ戦」で1日スポンサーを務めて“甘さを極めた台湾フルーツデイ”というプロモーションを実施する。そのほかTAITRAは3月8日から11日の4日間、幕張メッセで開催される「FOODEX JAPAN 2022」に台湾パビリオンとして出展し、そのなかでも台湾アテモヤを訴求していく。台湾パビリオンは昨年、22社が4小間の規模で出展していたが、今年はブースを拡大。35社が24小間の規模で台湾食材をアピールする。