【レポート】NFTを活用したファッション展示会の可能性 SIZELESS TWIN

アート×ブロックチェーンを主軸に事業を展開するスタートバーンは2022年3月4日から13日まで、東京・日本橋のPARCELを主会場に、非代替性トークン(NFT)を活用したファッション展示会「SIZELESS TWIN(サイズレス・ツイン)」を開催した。

同展は経産省の「展示会等のイベント産業高度化推進事業(展示会等における流通・取引の高度化実証事業)」の一環。ANREALAGE(アンリアレイジ)やTOMO KOIZUMI(トモ コイズミ)など5つのファッションブランドが出展した。

≪竜とそばかすの姫≫©スタジオ地図 2021

元来、ファッションブランドの収益源の大部分は実物の作品販売に限られており、オートクチュール形式で販売される作品は購買層も限定的だった。そこで実物をもとにメタバース用3DCGデータや、プロフィール用合成写真データを制作・販売することで、デザイナーにおける表現を広げるとともに販売経路の多様化を実現する。

スタートバーンのブロックチェーンインフラ「Startrail(スタートレイル)」によるNFTの発行が、正規のブランドやデザイナーから販売された作品であるという長期的な価値を生み出す。作品が二次流通に渡った際にも元の制作者であるブランドやデザイナーに対する還元金についての規約が継承される仕組み。今後は二次流通事業者とのAPI連携などを通して、より簡易的な流通管理の仕組みにアップデートしていく。

会場では実物展示のほかメタバース用3DCGデータの展示、制作過程の展示、アバターによる試着体験なども行われた。オンラインではメタバース展開としてXRクリエイティブプラットフォームのSTYLY上に、リアルを模した展示空間も構築された。

制作過程の展示
アバターによる試着体験 Dentsu Lab Tokyo, Dentsu Craft Tokyo ≪ALT SKIN≫ 2022

STYLY上に構成されたリアルを模した展示空間

2022年4月23日から5月15日にかけては香港のK11アートモールでも展示会を予定している。