日本テレビホールディングスは、2022年3月31日付にてムラヤマホールディングスの全株式を取得した。
日本テレビホールディングスからの発表によると買収の目的は、『同社グループは、2019年に策定した「日本テレビグループ中期経営計画2019-2021」において投資枠1,000億円 を設定し積極的な戦略的投資のもと「テレビを超えろ」をテーマに映像コンテンツをはじめ、イベント、生活・健康関連事業など“国民の生活を豊かにする”コンテンツ・サービスを幅広く提供する「総合コンテンツ企業」への進化を打ち出しており、創業120周年を迎える強固な顧客ネットワークを保有する特殊内装・造形業界のリーディングカンパニーでスポーツ関連や官公庁関連、博覧会及びアミューズメントで豊富な実績を有するムラヤマホールディングスをグループに迎え入れることで、同社グループ全体の企業価値向上に資すること』であるとしている。
日本テレビホールディングスは、コロナ禍をきっかけにデジタル化されたコンテンツが手軽に視聴されるようになると同時に、購入したサービスを使ってどのような体験をするかという「コト消費」に、消費者の関心が向いてきていると認識しており(特にスポーツ観戦やコンサート鑑賞をはじめとするイベント事業)、インターネット社会が拡がるにつれ、より対極にある「リアル」の価値が見直されることを想定し、今回の買収に至ったという。
具体的には、スポーツ・イベント及びアミューズメントなどの特殊内装・造形を手掛けるムラヤマと、日本テレビホールディングスグループのコンテンツ制作・イベント事業における企画・制作・運営力等の強みを掛け合わせることにより両社の事業拡大に資する以下のようなシナジーが期待できると発表の中で述べており、今後シナジー発揮等を目的とした協業委員会を設置する予定だ。
■日本テレビホールディングスグループの成長シナジー
①イベント事業における、企画・プロデュース~製作施工・コンテンツ制作~運営管理・キャスティングまで、ワンストップのイベント受注が可能となること。
②日本テレビホールディングスグループが推進する不動産開発において、商業施設部分の内装工事における高付加価値化と業務シナジーの発揮が見込めること。
③リアル体験の需要増、コト消費の増加を見据えたバリューチェーンの強化を図る。
■ムラヤマの成長シナジー
①(i)スポーツ・イベントの会場装飾・設営(ii)アミューズメントの特殊造形及び(iii)官公庁案件や博覧会の事業エリアにおいて、同社グループとのシナジーにより飛躍的成長を目指し、ナンバーワンの地位を確固たるものとすること。
②当社グループのクリエイティブによる企画プロデュース・マーケティング・演出力が加わることで、高付加価値化及びワンストップ営業が可能となり売上・収益向上が見込めること。