【レポート】サステナブル(SDGs)への取り組みを強化したイベント『UCC Smile Festa 2022』

UCCグループで業務用サービス事業を展開するUCCコーヒープロフェッショナル(以下UCP)と、イベントを中心に企業のマーケティング活動を支援する博展は、UCPが全国で開催する展示会『UCC Smile Festa 2022』において、環境負荷低減やサステナブル(持続可能な)イベントの実現に向け、共同で取り組んでいる。

今回は3月29日から31日にかけて開催された同イベントの東京会場(東京流通センター第1展示場)を取材した。

『UCC Smile Festa 2022』とは

展示商談会『UCC Smile Festa 2022』は、主に外食産業の来場者を対象にした、UCCグループ企業と、食材・ドリンク・販促資材などカフェの運営を支える様々なメーカー約90社が出展する、コーヒー並びに業務用食品の展示商談会だ。

今回は『Co-Creation 新たな価値を「共」に「創」る』をテーマに掲げ、「選ばれる飲食店」になるためのヒントを、オフラインおよびオンラインで提案した。


UCPによると感染症拡大の影響を受け家庭内でも本格的なコーヒーを楽しむ人が増えており、外出シーンでコーヒーを楽しんでもらうためには、家庭内では味わうことのできない「付加価値」の提供を通じて差別化を図る必要があるという。

今回の展示会のテーマには「選ばれる飲食店」になるために、「共」に消費者のニーズをとらえた新たな価値を「創」り上げたい、というUCPの思いが込められている。

昨年SNSなどのメディアで注目を集めた“食”のトレンドワードの中から、今後流行が予測されるワードをUCP独自に50個ピックアップし、それらに沿った9つのトレンドコーナーが設けられた。

国や自治体、会場のガイドラインを元に3密回避の観点から、入場制限を実施。サンプル・試食品は小分け提供を行い、ラッピングなどを行った状態で提供した。

サステナブル(SDGs)への取り組み

今回の展示会の見どころのもう一つが、環境負荷低減への様々な施策だ。

毎年開催されている同展示会について、UCPではフードロスの発生や多様なごみの排出など環境負荷に対する課題意識が長年あったという。

今年度の展示会では「資源循環型イベント」の実現を目指し、UCPと同展示会をトータルプロデュースする博展によって、以下のような施策が導入された。

『カーボンニュートラル』(温室効果ガスの排出量から、森林管理などによる吸収量を差し引き、”全体としてゼロ”にすること)と『ゼロウェイスト』(「ごみをゼロにする」ことを目標にできるだけ”廃棄物”を減らそうとする活動)を2つの軸として取り組んでいる。

展示会造作について
再利用可能な部材の利用を促進し、一部の造作で紙素材を取り入れている。
イベントの装飾物は全体の76%をリユース部材、15%をリサイクル部材で構成している(※立米(㎥)換算)。
発生した廃棄物量に関しては数値化し、翌年以降も継続的な削減に取り組む。

展示照明について
コーナーでは 消費電力が少なく、 寿命も長いLED照明を全面的に取り入れている。

配布印刷物について
案内チラシ等はコーナー内でQRコードを掲示し、デジタル化を推進することで紙の使用量の削減に取り組んでいる。

資材・カトラリーについて
ドリンクは可能な限り紙カップで提供。 使用するプラカップについても 環境配慮型の容器を活用した。
試食用のフォーク・スプーン等については、試食する食品との相性を確認したうえで可能な限り紙製などに切替えた。

食品ロス削減について
時間帯別に来場する人数を把握し、情報を共有することで、準備する試食のロス削減を目指した。
また、社員の商品勉強会を兼ねた試飲試食を促進することで、展示会終了後に廃棄されてしまう食品ロスの削減に取り組んだ。

廃棄物処理について
発生する廃棄物に関してはリサイクル率の向上に着目し、適切な分別を徹底。
最終的な廃棄物量とリサイクル率をレポートにまとめ、継続的な排出量削減・資源循環に取り組む。

排出量の測定について
会場で使用する電力量を把握し 次回開催以降の削減に取り組む。
主催者分の資材や商品運搬用のトラックのCO2排出量を算定し、記録することで次回開催以降の削減へ活用する。

サステナブル提案コーナーの設置
店舗でも取り入れられる、サステナブルに関する商品提案のコーナーを設けた。
コーヒー残渣の再利用事例として100%再生紙脱臭剤 (オリジナルノベルティ)をアンケート回答者に配布。

報告書作成について
展示会終了後に、環境報告書をオンラインサイトに掲示し、関係者に共有。 次回開催以降も継続的な環境負荷の低減活動に取り組む。

博展はサステナビリティ(持続可能性)に関する企業や地方自治体のニーズの高まりに対応し、「サステナブル・ブランド国際会議」などのイベントやメディアを通じて2015年より「サステナブル・ブランド」コミュニティ活動を推進している。

今回収集したデータは、今後の『UCC Smile Festa』における環境負荷低減に対する継続的な取り組みに活かしていく。