イベントマネジメントに持続可能性の評価基準!?~国際標準規格が発行(6/15)

2012年6月15日、工業製品やサービスの国際標準を作る国際標準化機構(ISO)は、イベントマネジメントの持続可能性に関する国際標準規格ISO20121を発行した。

持続可能性の課題を環境・社会・経済の側面から設定し、取組みにつなげていくことで、イベントに関する持続可能性を追求していくことが目的。

ISO20121では「イベントに携わる企業・団体」、「イベント」、「イベントの計画」の形式で認証取得が可能であり、開催の規模や種類は問わない。規格の評価として利害関係者との関係が強く意識されており、イベントを切り口として持続可能な社会へ結び付けていく狙いがある。

持続可能性の課題設定の目安としては、「廃棄物」、「エネルギー」、「アクセシビリティ」、「経済指標」など30以上の課題が紹介されており、目的に応じた適切な課題に取り組むことが求められている。

ISO20121は英国規格であるBS8901を母体としており、国際的な要求を受ける形でISO化の作業が進められた。BS8901は今夏に行なわれるロンドンオリンピックをはじめ、2009年12月にデンマークで開催されたCOP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議)などで認証取得が行なわれている。国際標準化にともない、今後は世界中で国際イベントを中心に活用される予定。

日本国内では今年9月29日、30日に横浜市で開催される2012世界トライアスロンシリーズ横浜大会が取得に向けて計画を進めている。本大会は2009年より横浜市で開催されており、国際トライアスロン連合の提唱する「グリーントライアスロン」に準じた環境配慮型の運営を行なうとともに、大会独自の取組みとして海底清掃を行なうなど、イベントを通じた環境整備にも力を入れている。今後は本国際規格を活用し、持続可能性を追求していく。

イベントが今回の国際規格に適合すれば、持続可能性の取組みを客観的な基準で示すことができるようになる。環境配慮や社会貢献など、社会に向き合ったイベントがふえているなか、ISO20121は協賛をする企業のイベントに対する評価基準としても用いられる可能性がある。

◆関連サイト

http://www.facebook.com/iso20121forum

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▽2012世界トライアスロンシリーズ横浜大会…国内初の「ISO20121」認証イベントへ向け取組み表明(7/2)

▽ISO20121の策定作業に参加した(社)日本イベント産業振興協会(経済産業省、日本標準化工業会(JISC)に認定された国内審議団体)による解説記事はこちら

イベントの社会的意義を再発見~ISO20121策定に向けて~(「見本市展示会通信」2010年4月15日号pdf版

イベント産業の国際競争力からみるISO20121の普及と課題(「見本市展示会通信」2011年4月15日号pdf版

サステナビリティからイベントを考える(「見本市展示会通信」2012年4月1日号pdf版

▽ISO20121の発行年である今年1年を通じ、イベントと持続可能性をテーマにしたコラムも連載中

「見本市展示会通信」あすへのアプローチ-サステナビリティ元年(2012年2月1日号~