Jリーグは、段階的に声出し応援を再開する取り組みの一環として、6月11日(土)から8月14日(日)までの期間の公式試合28試合を対象に、新型コロナウイルス対策における政府の基本的対処方針に沿った感染対策を反映したガイドラインに基づき「声出し応援エリア」を設置、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)等の調査機関と連携し運営検証を行った。
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検証の結果、「感染対策を適切に行うことで、声出し応援エリアと声出し応援をしないエリアの併存運営が可能である」との見解とともに新型コロナウイルス対策の専門家チームへ最終報告を行い同様の見解が得られた。
8月15日以降は希望する全てのクラブがガイドラインに沿った専用の応援席(エリア)を設けることで、Jリーグの一部の試合から段階的に声出し応援を再開している。
今後は、より多くの人数の来場を実現と併行して声出し応援エリアの拡充を目指し、本検証結果やアンケート調査の結果を関係各所と共有のうえ、段階的な制限の見直しを含む早期の正常化に向けた働きかけを継続していく。
以下は9月5日に発表された、公式試合における声出し応援運営検証の報告内容。
公式試合における声出し応援運営検証の報告(速報版)
検証結果に対するJリーグの見解
・従来からある感染症対応ガイドラインに加え、声出し応援エリアに特化したガイドラインを新たに設けることで、感染拡大を抑えた声出し応援席の設置・運営は可能である
・声出し応援席と声出し禁止席の併存運営も十分に可能である
主な運営検証の結果と特記事項
・調査機関による現場計測からもガイドラインが概ね守られている状況を確認
-【マスク着用状況】声出し応援席でも94.8%以上と高い着用率
-【換気状況】二酸化炭素濃度は声出し応援席エリアで平均450-550ppm(最大で758ppm)程度と十分に換気されていた
-【エリア外での声出し】音声量の解析の結果、声出し応援エリア以外から声出し応援している状況はないと評価
(調査の詳細:産総研
https://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2022/nr20220905/nr20220905.html)
・現地調査に基づき概ね問題なくガイドラインが運営された
-ガイドライン違反報告が数件あったがいずれも違反者の特定やスタッフの指導によりその場で改善され次試合以降の再発は生じず(密になる応援、エリア外でのマスクなしでの発声等)
・陽性報告に関する特記
-7月上旬、感染収束期から急激な拡大期に移行する間に行われた首都圏の2試合で、声出し応援席の利用者から5件以上の陽性報告があり、追加調査を実施した(クラスター認定はされていない)。聞き取りの結果、声出し応援ガイドライン遵守に違反する行為は無く、試合日以外で出社、外食、買い物等、他者との接点がある行動があった。
-専門家チーム(注1)より試合日外での行動や座席間隔が離れていること等から観戦者の陽性報告は「声出し応援が感染を拡大したと断定することは難しい」との見解が示された。
-上記2試合の他6試合で1件以上の陽性報告を受けた(注2)が、いずれも3件以下であり座席間隔が2m以上離れていることや行動履歴等からスタジアムから拡大した状況は見られていない
専門家チームの所見
・検証報告を受け、専門家チームより声出し応援ガイドラインが有効であること、また適切な試合運営によりスタジアムで声出し応援エリアとその他のエリアの併存運営は十分可能であるとの助言があった
検証後の対応
・検証結果や専門家チームの所見を参考に8月15日以降、全公式試合を対象に希望するクラブが声出し応援席の設置を可能とした
・声出し応援ガイドラインの運用を当面継続。観客に引き続き観戦ルールの遵守協力を求めていく
・今後、より多くの人数の来場を実現と併行して声出し応援エリアの拡充を目指し、本検証結果やアンケート調査の結果を関係各所と共有のうえ、段階的な制限の見直しを含む早期の正常化に向けた働きかけを継続していく